動く大地、住まいのかたち―プレート境界を旅する

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000222358
  • NDC分類 527
  • Cコード C0052

内容説明

大地は動いている。地球の地殻を構成しているプレートは、それらの衝突、沈み込みによって大地の形を大きく変え、地震や噴火を引き起こす。動く大地は、日本を含むユーラシアのプレート境界域に何をもたらしたのか。本書は、環境を創造し、時に人間社会を壊滅させるプレート運動の驚異的なエネルギーと、その大地で生き抜く人々の叡智と暮らし、環境に応じた居住文化の姿や社会のあり方を、豊富なカラー写真、図版とともにありのままに活写する。インドネシアから、インド、ネパール、イラン、トルコ、ギリシア、マルタ、イタリア、アフリカ北部に及ぶ広大な地域を巡歴し、人間そして社会の存立条件を捉えなおした類を見ない建築論的旅の記録。

目次

1 Buildinghoodへの気づき―インド、ネパール(土地のかたち、人の住まい―ウッタラカンドにて;パンゲアのかけら―孤島のドーラヴィーラ遺跡;溜まる街―カトマンズ盆地にて)
2 建築の父、建築の母―イラン(火山によって支えられた住まい;建築の父、建築の母;境界を越えて)
3 石の重さ―ギリシア、マルタ(巨人から人間へ;石と遊ぶ)
4 グローバライゼーションとつきあう方法―トルコ、イタリア、シリア、チュニジア、モロッコ(カッパドキアでの生活;シチリア・ベリーチェ―一九六八/二〇一三;ワールズエンドの風景)
5 人間の場所―インドネシア(死と大地;大地から縁を切ること;人間の場所)

著者等紹介

中谷礼仁[ナカタニノリヒト]
1965年生まれ。早稲田大学理工学術院・創造理工学部建築学科教授。専門=建築史、歴史工学、建築理論。早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院後期博士課程修了。大阪市立大学工学部助教授などを経て、現職。瀝青会名での共著『今和次郎「日本の民家」再訪』で今和次郎賞・日本建築学会著作賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鵐窟庵

4
未曾有の災害を契機にプレートの境目にある国々を巡って書かれた紀行文。プレートのもたらす複雑な自然環境や地形などが独特の文化、建築や都市を作り出す。建築の父、建築の母と言った表現が用いられているように、石や土と言った初源的な材料を使った伝統民家の構法やそこでの暮らしぶりが伺える。大地から建築が作られて生活と一体化されている感覚が、日本以上に直接実感される。初源的ゆえに技術の発達も緩やかで徐々に引き継がれて行く。原型が未だに残っている地域、近代化以前以後の世界が建築で線引きされるか否かはどう相対化されるのか。2021/02/11

Kan Bin

2
このかたの本は難しくて苦手なのだが、紀行文は最高に面白い。一箇所一箇所をもっともっと深掘りしてほしい気もするが、プレートテクトニクスにそって旅するという大きなテーマを成し遂げるにはあのスピード感が必要だったのだろう。人間の住む行為、とは....大地と縁を切るところ、と書かれていてハッとした。それなのにキャンプや野外に出掛けて大地の感覚を求めてしまう人間。人間って矛盾してるし、都合がいいよな〜2023/11/10

takao

2
ふむ2022/11/07

渡邊利道

2
震災の後、プレート周辺の「動く大地」でどんな建築が作られてきたかを問い、世界を旅する。地理と建築と都市から人間の文化を見ていく人類学的思考の本で、紀行としても美しく思弁的な奥行きのある文体がいい。建築の「父」である「石」と、「母」である「土」。土地の名は、インド、ネパール、イラン、ギリシャ、マルタ、トルコ、イタリア、シリア、チュニジア、モロッコ、インドネシア。塩の湖や、無目的な石のモニュメント、ダマスカスで発見したローマの街、ワンユーロハウスとマフィアとの戦い、などなど、何度も読み返したくなる魅力的な本。2018/09/27

nizmnizm

1
地層の境界線に焦点をあて、旅した旅行記。テーマを持って旅する事の楽しさと、新しい発見。地味に興味深い旅で、新鮮な印象。2017/09/16

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