目次
1 世界史はなぜ嫌われる?(世界史の教育が抱える問題とは;世界史の研究が抱える問題とは)
2 世界史はなぜ必要か(日本に生きるものにとって世界史はなぜ必要か;世界史教育はなぜ必要か)
3 世界史を構想するヒント(広島・長崎;川上音二郎・貞奴一座;日清・日露戦争の時代;一九八〇年代の世界;義賊)
著者等紹介
南塚信吾[ミナミズカシンゴ]
1942年生まれ。東京大学教養学部卒、同大社会学研究科博士課程単位取得退学。千葉大学などを経て、法政大学国際文化学部教授。専門は東欧史、国際関係史。歴史学の現状への危機感から、2004年に「世界史研究所」を開設。研究者、現場の教師たちと積極的に交流・研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
5
そもそも世界史は必要なのか?との問いと考察。一般教養というよりも人間探究として意義あるのではないかと感じた。2020/02/21
サアベドラ
5
高校生の世界史未履修が問題になっていた頃の本。世界史教育の問題点と、それを改善するためのヒントが短い紙幅に著者なりにまとめられている。世界史というのは不思議な科目で、中学の時には存在せず、高校になると突然現れ、大学に入ると西洋史と東洋史に分裂して消滅する。高校世界史の問題点は主に2つ。1つは単なる各国史の集積になっていること。2つ目はただの受験用の暗記科目になっていること。著者は前者に関してはグローバルヒストリーの視点を取り入れることで解決すべきとしているが、後者に関しては明確な答えを打ち出してはいない。2012/12/14
生ハム
2
なぜ中学校で習う「歴史」は「日本史」なのか。あらゆる場所に等しく歴史が存在する意味について考えさせられる一冊でした。丁寧な文体と論調も好印象。中学の時点の「歴史」が、実質「日本史」になっていることはやはり問題だと思いました。 ただでさえ、島国日本、外国を意識する機会なんてものすごく少ないのに。 無知は偏見の温床ですしね。ここら辺は今後の課題というか、 中学校の時点でより日本史と世界史の融合というか、 より広い意味での歴史を教えられたらなーと思いました。2012/09/29
zep
2
一応共著者(になるのか?)。この本のコラム「こんな授業をやってみた」を執筆しています。2016/05/23
TAKAMI
2
非常に濃密な70ページでした。世界史をいかに学ぶかという問いは(単純に暗記式は良くない、といったことだけでなく)考える余地の多いことなんだなぁと思いました。『~これまでのような国民国家や地域の歴史を並べるような世界史ではなく、それらを越えた歴史を自由に構想してはどうでしょうか。自分の「世界史」を作るのだと思えばいいのです。それが日本史をも含んだ《世界史》になれば、なおさらいいわけです。』という意見に全面的に同意するし、その為の歴史の見方は非常に勉強になりました。2011/04/04