感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
viola
8
岩波のほうがより読まれていますけれど、断然此方の方がお薦めです。翻訳は同じようですが、こちらにはシャガールの絵画が！シャガールって別に好きでもなんでもなかったけれど、このダフニスとクロエーにはぴったり。古代ギリシャの作品で、『潮騒』もこれからインスピレーションを受けたようですね。ダフニスとクロエーが捨てられて、二人が恋に落ちた後に元の高貴の生まれの親に再会する話なのだけれど、オイディプス王などと比べて捨てられる理由が納得できず。と言いつつも、挿絵の効果も相まってか、とにかく美しくみずみずしい恋物語。2012/12/25
北風
7
夏にふさわしいフェアリーテイルじゃないでしょうか。真夏の夜の夢のように夏の物語じゃないんですけど、ギリシャの常春（雪降ってるから四季がある）。美少年ダフニスと美少女クロエーの恋物語。シャガールの幻想的な絵がふんだんに溢れて、星座の神話とはまたちがったギリシャ神話の世界にどっぷりと浸れます。2023年７月現在世田谷美術館でシャガールの原画が拝見できますよ。2023/07/16
nightowl
3
人ならぬものに愛されたカップルが結ばれるまで。主人公たちにとって都合の良いようにさくさく進む展開はやはり貴種流離譚ならでは。尚挿絵でギリシャらしさより愛の理想郷を幻視する姿勢はいつものシャガール。三島由紀夫「潮騒」の元ネタ。エウリピデス「ヘラクレス」から「朱雀家の滅亡」を生み出したような工夫ぶりに舌を巻く。2020/01/22
ꪔ̤̥ ꪔ̤̮ ꪔ̤̥
1
物語もリトグラフも素敵で、とても幸せな気分になりました。サイズもちょうど良い…ナイスです岩波さん。シャガールもラヴェルも大好きなので、ソースである物語も好きになることができて嬉しい。2012/06/29
