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エチオピア黙示録―野町和嘉写真集

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  • サイズ A4判/ページ数 191p/高さ 31cm
  • 商品コード 9784000080798
  • NDC分類 748
  • Cコード C0072

内容説明

生活圏が、標高3500メートルの高地から海面下150メートルの酷暑の砂漠にまで及ぶこの国には、80以上の民族がひしめき多彩な文化が層を成していた。著者が頻繁に通った1980年代、内戦と閉鎖的な社会主義のために外界から孤立したエチオピアでは、経済の歯車も静止したままに、中世以来途切れることのなかった時間がゆったりと流れていた。そこには他のアフリカとは異質な深い祈りと、心に沁み入る情緒があふれていた。だがその環境は一方で、3年続きの旱魃をきっかけに、飢餓という黙示録的終末に人々を投げ入れたのであった。ここに収録するのは、多難な時代を懸命に生き抜いた人々の、光と闇の記録である。

目次

第1章 高原に暮らす
第2章 飢餓の記憶
第3章 祈りの大地

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

373
著者の野町和嘉は、サハラ砂漠やアンデス高原など辺境の乾燥地帯を撮ってきた。本書は、アフリカの中でも風土、民族共に特異な位置にあるエチオピアの写真集。すべてモノクローム。全体はほぼ3部構成から成り、第1部は人々の姿。この地は他民族国家だが、セム族系の人々が中心。独特の彫の深さと表情が孤高の趣きを見せる。第2部は飢餓のエチオピア。未だ多数の難民たちが暮らす。旱魃も要因の一つだが、内戦がこれに追い打ちをかけた。第3部は、この地特有のキリスト教徒の姿を伝える。たしかにキリスト教だが、プロテスタンティズムからは⇒2021/11/01

猫風船

2
エチオピアは、原始キリスト教がいまだに息づいている国だ。人々は、岩窟教会に集い、聖書の時代そのままの世界を生きる。1984年、100万人が犠牲になるという凄まじい飢饉がエチオピアを襲った。息子の死に茫然自失の母親、幼い子を墓地に運ぶ父親、ハイエナに食い散らかされ白骨化した遺体。画面のなかの人々の視線が痛いくらいに刺さり、不条理という言葉しか思い浮かばない。第三部「祈りの大地」の峻厳な祈りの風景は、もはやマジックリアリズム文学の世界観であった。個人的には、野町さんの最高傑作だと思う。2012/10/28

ARIA

1
すべての写真がモノクロだが、まさしくエチオピアの様子を表しているように思える。おかれている状況は真っ黒・・そしてそこからの解放は死を意味する。写真の中に赤ん坊や幼い子供の痛々しい姿があったが、彼らの未来またも黒い闇で覆われているのだろう。「かわいそう」などという同情は決してしないし、今の世界でのんきに生きている私にその資格はない。ただ事実としてみておかなければならない、そう思った。。。 2013/02/23

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