内容説明
生活圏が、標高3500メートルの高地から海面下150メートルの酷暑の砂漠にまで及ぶこの国には、80以上の民族がひしめき多彩な文化が層を成していた。著者が頻繁に通った1980年代、内戦と閉鎖的な社会主義のために外界から孤立したエチオピアでは、経済の歯車も静止したままに、中世以来途切れることのなかった時間がゆったりと流れていた。そこには他のアフリカとは異質な深い祈りと、心に沁み入る情緒があふれていた。だがその環境は一方で、3年続きの旱魃をきっかけに、飢餓という黙示録的終末に人々を投げ入れたのであった。ここに収録するのは、多難な時代を懸命に生き抜いた人々の、光と闇の記録である。
目次
第1章 高原に暮らす
第2章 飢餓の記憶
第3章 祈りの大地



