内容説明
動物園はいま大きく変わっています。動物のしあわせを考え、生活を充実させる「環境エンリッチメント」。本来の生息環境を再現する「ランドスケープ・イマージョン」。飼育・展示の方法を工夫し、研究・教育へ積極的に関わることで、ただ見て楽しむ施設から人間と動物・自然との関係を体感して学べる施設へ。きっと何度も行きたくなる、未来の動物園。
目次
1 動物園の舞台裏
2 近代動物園の夜明け―ヨーロッパ・アメリカ・日本
3 見られる動物たち―展示技法と環境エンリッチメント
4 研究する動物園
5 「見せる」と「ショー」のあいだ
6 動物からのメッセージ
7 娯楽施設から文化・教育施設へ
著者等紹介
上野吉一[ウエノヨシカズ]
1960年生まれ。北海道大学農学部(農芸化学)、同大学院文学研究科(行動科学)、京都大学霊長類研究所附属人類進化モデル研究センター准教授を経て、2007年から名古屋市東山総合公園(東山動植物園)企画官。専門は動物福祉学、味覚・嗅覚に関する比較認知行動学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
162
本書は基本的には副題にあるように、動物園で飼育されている動物たちにとっての環境エンリッチメントを述べたものである。そもそも、環境エンリッチメントという言葉自体を、門外漢である私は初めて聞くのだが、「動物がもつ本来の要求を少しでも多く満たすための飼育管理技法」であるらしい。ただ、そのことに終始するのではなく、動物園の歴史から現在の問題点にいたるまで、なかなかに網羅的だ。世界最古の動物園(厳密には今のそれとは違うが)がメソボタミアで紀元前2000年頃に既にあったとは驚く。この分野の西欧と日本の差は依然大きい。2014/10/28
ya
2
絶版。 興味深い内容だが、出典が明示されておらず詳細を追えないのが残念。2013/12/23
ももんが
1
動物園は野生動物を身近に観察できる貴重な場所です。動物園の成り立ちや展示の変遷と飼育技法について読みやすくまとめられています。動物園の担う役割《娯楽・教育・研究・種の保存》これからは特に研究と種の保存が重要で、それに伴う人材や財源の確保が課題となるでしょう。現在は獣医師さん飼育員さんの御負担が大きいと感じています2023/06/13
takao
0
ふむ2019/08/14