出版社内容情報
著者は雪で名高い北越塩沢の人.諸国の人々に越後の雪を主題とし,それに付帯した風俗習慣を伝えんとした.出版には馬琴,京伝等が関係し,当時天下の奇書として圧倒的な人気を博したという.しかも今日これを見れば単に風土記的な興趣のみならず,科学的随筆とも称すべく,また方言研究の重要資料でもある. (解説 益田勝実)
内容説明
雪の為に力を尽し財を費し千辛万苦する事、下に説く所を視ておもひはかるべし。―著者は越後塩沢の人。豪雪地帯で暮す人々の哀歓を綴り、習俗を記録し、奇談を集めた。出版には馬琴、京伝らが関係し、天下の奇書として圧倒的な人気を博したという。科学的考察に富み、風土記的な興趣のつきない随筆集。
目次
北越雪譜初編巻之上(地気雪と成る弁;雪の形状 ほか)
北越雪譜初編巻之中(雪頽人に災す;寺の雪頽 ほか)
北越雪譜初編巻之下(渋海川さかべつたう;鮭の字考 ほか)
北越雪譜二編巻之一(越後の城下;古哥ある旧蹟 ほか)
北越雪譜二編巻之二(雪頽に熊を得る;雪頽の難 ほか)
北越雪譜二編巻之三(鳥追櫓;雪霜 ほか)
北越雪譜二編巻之四(異獣;火浣布 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書家さん#2EIzez
6
此方も返却期間すぎ、前半少しの読了。雪の結晶56種類が図柄で載せてある。雪の結晶全て丸や正方形、六角形で出来て空から降って来ることは、隕石とか人の成り立ちにも関係しているようにみえる。神聖なものから、やがては世にまみれて、元に戻ろうとするも上手くいかず(見ようとせず)という人も自分の年を追うごとにいるのじゃないだろうか。体力、気力は若いうちというし。この本の良いところは、今ではみることのない日本語の種類をたくさん触れられる点と東北の生活、自然を詳細に書いている点。読み書きするならば、理想的な本。 2025/04/11
222999sirasaka
0
北越の雪についての民話や経験についての膨大な記録。その時代の人の感性や、雪降って喜ぶとか大変お気楽ですねぇっていう苦労話が盛りだくさん。中には何か科学的に証明できそうな雰囲気のある自然の怪談からお寺のお話もある。様々な雪の小話に、江戸の人達がこの作品を読んで、観察による科学と考察が大著となるのだと感じたのではなかろうか。まさに雪のアリストテレス。古い作品だけど観察の結果をなるべく分かりやすく伝えようとしているので後の時代の作品より読めるけれど、一つ一つの話をへぇ~と読む時間があった方が流さずに読めます。2018/07/31
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