出版社内容情報
当時外国にあった著者が,故国恋しさの思いを茶事の物語によせ,英文でニューヨークの1書店から出版したもの.日本の精神的所産の最も美しい面を見事に捉え得た名著として広く読まれてきた.(解説=福原麟太郎)
内容説明
外国にあった著者が、故国恋しさの思いを茶事の物語によせ、それを英文に写してニューヨークの一書店から出版したものである。茶の会に関する種々の閑談や感想を通して人道を語り老荘と禅那とを説き芸術の鑑賞にまで及んでおり、日本の精神的所産の最も美しい面を見事に捉え得た名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
色々甚平
7
茶、茶道から東洋哲学に触れるという素晴らしい内容だった。西洋から野蛮人扱いされていた東洋の誤解を説くために外国向けとして英語で書かれたものを翻訳したもの。だが、同じ日本紹介本として稲造の武士道とは違い、今の日本人が読んでも、誇るべき文化という妙な押し付けがましいものではなく、脈々とあまり意識せずに続いている思想の部分に触れられている。薄い本だが内容は相当濃く書かれているものだった。2018/04/23
フィ
1
茶道の精神と芸術。茶室の建築原理、細工と他の建築物(日本を含む)との対比。茶室への入室の記述では繊細な立ち振舞いが伝わってくる。芸術の鑑賞上の留意点。花の性質と茶室にいける花のあり方。いずれも考えさせられる。最終章での利休の最後の叙述に重く響くものがあった。2016/05/08