内容説明
名ばかりの法律とやりたい放題の無法政治。こんな社会環境がまかり通り国家に、順法精神を求めること自体、無理がある。中国人がルールを守れない本当の理由。
目次
第1部 黒社会化する中国政治(中国政治の黒社会化を研究しなければならないのはなぜか;黒社会の全体像;中国における政治の黒社会化の制度的環境;政府行為の黒社会化;経済活動に魔手を伸ばす黒社会;政府行為の黒社会化による重大な人権侵犯;結語・政府行為の黒社会化と道義なき社会構造)
第2部 強権統治下における中国の現状と展望(中国の未来予測が矛盾に満ちているのはなぜか;社会的生存基盤の破壊;中国の政治統治はなぜ「安定」を維持できているのか;中国政府に政治改革を実行するエネルギーがなくなったのはなぜか;結語)
著者等紹介
何清漣[カセイレン]
経済学者・ジャーナリスト。1956年、中国湖南省生まれ。湖南師範大学卒。上海・復旦大学で経済学修士号を取得。湖南財経学院、曁南大学で教鞭をとり、中共深〓(せん)市委員会宣伝部に勤務の後、『深〓(せん)法制報』で長らく記者を務めるかたわら、中国社会科学院公共政策センターの特約研究員となる。98年に政治経済学の視点から中国社会の構造的病弊と腐敗の根源を衝く『現代化的陥穽』(邦訳『中国現代化の落とし穴』)を出版。知識人層から圧倒的な支持を得たが、共産党政権下の政治的タブーに踏みこむ言論活動を貫いたため、国家安全当局による常時監視、尾行、家宅侵入をはじめとするさまざまな圧力を受け、2001年に中国を脱出して米国に渡った。現在はプリンストン大学、ニューヨーク市立大学で研究活動を従事し、『当代中国研究』誌などに意欲的な論考を発表して精力的な活動を続けている。なかでも、渡米後の2004年に刊行された『中国の嘘』は、記者としての現場体験を踏まえた白眉の中国メディア論であり、中国におけるメディア・コントロールと言論統制の恐るべき実態を描ききった労作として高い評価を得ている。混迷を深める現代中国の動向を語るうえで欠かすことのできないキーパーソンのひとり
中川友[ナカガワトモ]
1955年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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