出版社内容情報
小学5年生の朱莉は、ふとしたきっかけで、ひと箱本屋カフェ「SHIORI」を訪れ、
そこで売られていた一冊の手作りの本に、心をうばわれる。
作者は同世代の女の子・理々亜。
二人はある日、「SHIORI」ではじめて会うことになり……。
ほんとうの友だちとは? ほんとうに自分らしいとは?
たどりついた、朱莉の気持ちとは――。
内容説明
小学5年生の朱莉は、ふとしたきっかけで、ひと箱本屋カフェ「SHIORI」を訪れ、そこで売られていた一冊の手作りの本に、心をうばわれる。作者は同世代の女の子・理々亜。二人はある日、「SHIORI」ではじめて会うことになり…。ほんとうの友だちとは?ほんとうに自分らしいとは?たどりついた、朱莉の気持ちとは―。
著者等紹介
赤羽じゅんこ[アカハネジュンコ]
東京都在住。『がむしゃら落語』(福音館書店)で、第61回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、『なみきビブリオバトル・ストーリー 本と四人の深呼吸』(さ・え・ら書房/共著)で第4回児童ペン賞企画賞を受賞。日本児童文学者協会常任理事
はらぐちあつこ[ハラグチアツコ]
イラストレーター・絵本作家。書籍、雑誌、企業パンフレット等のアートワークを中心に活動しながら、歴史絵本の制作にも携わる。福岡県に移住し、自然の中にいる子どもや、植物を描くことが増えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
77
児童書。車いすのお友達▽小学5年生の朱莉(あかり)は新しくできたカフェ《SHIORI》の「ひと箱本屋」で手作り本に出会う。作者の理々亜(りりあ)が小学生だと聞き、朱莉は友達になりたいと手紙を書いた。理々亜は車いすユーザーで朱莉は戸惑うが、同じ本好きですぐに仲良しになる。ふたりで夏祭りに行きとても楽しく過ごすけれど、人ごみの中で理々亜が取り残され、最後はお互いに気まずい思いをしてしまう。友情と同情の境はどこ?心のバリアはどうすればいいの?▽正直で素直な気持ちが丁寧に描かれていて良かったです。 2023.6刊2024/04/28
がらくたどん
68
あなたは今日街で車椅子ユーザーを何人見かけましたか?本好きの小5少女が偶然立ち寄った「ひと箱本屋カフェ」で出会った手作りの本。作者は同じ小学生だって。会いたいな。念願かなって会ってみたらその子は車椅子ユーザーだった。いままで「そういう子」と友達になったことがない・・。本を仲立ちに「そういう子」がただの○○ちゃんになっていく楽しい時間。お互いの中の気遣いと心苦しさの空回り。「やさしい仲間外れ」「友情と同情のさかい」共生より分離を優先して来た社会のなかで、誰もがただの○○ちゃんでいるためのありようを探る1冊。2023/09/13
はる
64
本が好きな小学5年生の朱莉は引込思案な女の子。偶然訪れたひと箱本屋カフェ「SHIORI」で、一冊の手作り本に心をうばわれる。作者は同世代の少女・理々亜。朱莉は彼女と友達になりたいと思うが、理々亜は車いすユーザーだった……。二人はすぐに親しくなりますが、過度に優しくしたり、心配したりすることが実は理々亜にとって悲しく辛いことだと知る朱莉。朱莉は彼女と自然と接することを考えます。車いすの方との接し方は私自身にも勉強になりました。親友のために少しだけ強くなった朱莉が爽やかです。2023/08/21
ぶんこ
44
本好きな小5の朱莉が偶然知ったひと箱本屋。そこに出店していた小6の理々亜は車椅子ユーザー。初めての車椅子に戸惑い、気を遣ってしまうが、理々亜は気を遣ってほしくない。お祭りの夜、キックボードをよけようと側溝に嵌ってしまい、助けを呼びに行く朱莉。(電動だと重くて簡単には持ち上げられない不便があるのです。でも人に押してもらわなくてはいけない手動車椅子よりは断然いいのだ)それ以来疎遠になるが、推しの漫画家のサイン会に誘い、車椅子でも気兼ねなく参加できるように心を尽くす朱莉。差別と気遣いについて考えさせられる物語。2023/08/28
Roko
33
小学校5年生の朱莉(あかり)は、ひと箱本屋カフェ「SHIORI」というお店の中で、「虹色本屋」という箱に展示されていた本がとても気に入りました。お店の人に聞いてみると、その作者は何と小学生だというのです。朱莉は、この本を書いた人に会いたいと思いました。カフェの店長さんの紹介で、その人、理々亜(りりあ)さんに実際に会ってみてビックリしたことがいくつかありました。一つ目は同じくらいの年の子だったこと、二つ目は初めて会ったのに話がとても合うこと、そして三つ目は彼女が車いすに乗っていたことです。2023/09/17