出版社内容情報
本書で取り上げるのは,1次元ないし2次元的な広がりしかない風変りな物質,強い異方性のある物質,きれいな周期性のない物質である.近年,画期的に発展したこれらの新分野について,理論的側面を中心に解説する.
内容説明
本書でとりあげた固体物理の新しい展開は、1次元ないし2次元的な広がりしかもたない風変りな物質、あるいは強い異方性のある物質や、きれいな周期性のない乱れた物質に関するものである。近年の技術の進歩、新しい物質の開発に助けられて確かめられ、画期的に発展した新分野について、理論的側面を中心に解説する。めざましい進展をつづけるこの分野の中から、メゾスコピック系の量子伝導、複合Fermi粒子が示す分数量子Hall効果、CDW・SDWのスライディング、の3つの問題を選び、補章として加筆した。
目次
1 Anderson局在と量子伝導(Anderson局在とは何か;局在のスケーリング理論 ほか)
2 量子Hall効果(強磁場下の2次元電子;整数量子Hall効果 ほか)
3 電荷密度波・スピン密度波(Fermi面のネスティング効果とCDW・SDW状態;電荷密度波(CDW) ほか)
補章1 メゾスコピック系の量子伝導再論
補章2 分数量子Hall効果と複合Fermi粒子
補章3 低温領域におけるCDW・SDWのスライディング