出版社内容情報
働きアリは子をもたずに女王を助ける――自己犠牲的な利他行動はなぜ進化しえたのか。ヒトに限らず様々な生物で見られる利他行動の謎はダーウィンを悩ませた。本書は生物界の多様な利他行動を紹介しつつ、血縁度と遺伝子プール概念により統一的な理解へと導く。進化とは何かから血縁選択の公式の導出まで丁寧に解説する。
【目次】
はじめに
1 進化と自然選択
定義が重要
進化とは
進化が起こる仕組み
自然選択と適応
自然選択は目的らしきものを自然発生させる
適応度
子の数が適応度の指標になる
さまざまな適応度概念
適応度関数
遺伝浮動
遺伝浮動か自然選択か
2 進化的適応の実証法
系統樹を用いた比較法
最適戦略
進化プロセスの実測
表現型とゲノム
至近要因と究極要因
進化がなぜ重要なのか
3 利他とは何か
社会形質の定義
利己的遺伝子概念
最近の教科書で利他でなく協力が使われる理由
4 利他形質の進化理論
利他形質を説明する3つの説
血縁選択と包括適応度
群選択
緑鬚効果
他個体による操作
互恵性
互恵性の実証データ
間接的互恵性
補論 家系図を使った血縁度計算
5 実証研究
脊椎動物の協力的行動
脊椎動物のヘルパー
不妊カースト
おばあちゃん効果
血縁識別
血縁識別の不完全性
ヒトの継子殺し
ヒトの男性の同性嗜好性
包括適応度仮説の定量的検証
ハミルトン則の野生動物への適用
アシナガバチの多雌創設
シチメンチョウの雄の共同求愛
グッピーの雄の求愛競争
6 ハードコア社会生物学
半倍数性と3/4仮説
サブソシアルルートとセミソシアルルート
低血縁度社会がなぜ進化したか
社会性昆虫の性比
アリの分断性比
ポリシング
軍拡競争とミツバチのアナーキーワーカー
ポリシング理論の再検討
なぜ女王1回交尾でもワーカーポリシングが進化するのか
女王フェロモン
繁殖の偏り
微生物を用いた進化の実験
社会の癌
7 残された問題
ノワックらによる包括適応度批判
生命科学とのリンク
社会生理学とのリンク
アリの融合コロニー性
マクロ生態学とのリンク
8 社会進化の数理モデル
遺伝子プール
選択と適応度
共分散と相関および回帰係数
プライス方程式
ハミルトン則
血縁度
集団の粘性ないし移動の制限
同祖性遺伝子による血縁度概念のメリット:適応的デザインの説明
自分のゲノムに占める比率か相手のゲノムに占める比率か
遺伝子プールと繁殖価
適応度の定義は遺伝子頻度を評価するタイミングに依存する
包括適応度
フィッシャー性比と頻度依存選択
血縁者間の局所的相互作用と性比
包括適応度を用いたトリバースとヘアの性比
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