出版社内容情報
人類に災厄をもたらした点でペストをしのぐ牛疫.その牛疫がついに地球から姿を消そうとしている.感染症に対する人類の闘いが大成功した数少ない快挙となる.本書は,4000年にもわたるその歴史を振り返り,根絶までの道のりを紹介する.新型インフルエンザ対策への教訓は何か?最先端で研究にあたった第一人者が語る貴重な記録.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sfこと古谷俊一
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致死率九割。古代エジプト時代から記録され、世界史に大きな影響を与え続けてきた感染症、麻疹の先祖とされる牛疫は、ついに撲滅されようとしている。日本ではマイナーなこの病気だが、牛疫対策の歴史は伝染病対策法の確立の歴史であった。そんな牛疫との戦いを、ワクチン開発にも関わった研究者が、通史的に調査解説。2009/09/06
H.Yamaguchi
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牛疫ウイルスのウイルス学的、分子生物学的な性状の解説を期待して読んだが、牛疫が与えた影響と根絶への歴史、特に免疫血清やワクチンによる予防法の発展にフォーカスが当てられていた。獣医学教育の発端が牛疫にあるほど影響力の強い伝染病であることを知った。2021/02/13