内容説明
ミロのビーナスの均整、パルテノン神殿の調和、名刺やはがきの安定、これら身の回りにある多くのものに共通する黄金比には秘められた対称の美がある。古代より多くの人を魅了してきた対称性は、ガロアやリーによって美しい数学の理論に発展した。そして、2世紀に及ぶ研究を経てついに究極の大きさを持つ対称性“モンスター”の発見に至る。怪物のような摩訶不思議な群や、想像することもできないほど巨大な数を通して、未解決問題に取り組む数学者たちの情熱と数学のもつ豊かさ、美しさを描き出す。
目次
テアイテトスの正二〇面体
ガロア―天才の死
無理数による解
群
ソフス・リー
リー群および物理学
有限に向かって
戦争の後で
UCCLから来た男
巨大な定理
パンドラの箱
リーチ格子
フィッシャーの怪物
アトラス計画
巨大な神秘
構成
ムーンシャインとモンスター
著者等紹介
ロナン,マーク[ロナン,マーク][Ronan,Mark]
イリノイ大学教授。専門は、群論、群論幾何学。本人自身がかつて単純群の分類の研究に関わっていたこともあり、モンスター群に関係するおもな研究者のほとんどと知り合いである。専門はディッツのつくった重要な対称群を示す幾何学的構造(BN構造)、とくに建物の理論
宮本雅彦[ミヤモトマサヒコ]
1977年、北海道大学理学研究科数学博士前期課程修了。理学博士。現在は、筑波大学数理物質科学研究科数学専攻教授。専門は、有限群論、頂点作用素代数
宮本恭子[ミヤモトキョウコ]
1981年、北星学園大学英文学科卒。現在は、東洋大付属牛久高等学校英語科非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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