出版社内容情報
微分方程式の多くは計算機の力を借りて数値的に解かなくてはならない.本書は,とくに常微分方程式に焦点を当て,その基礎的,標準的な解法をやさしく解説するテキストである.「岩波講座 応用数学」からの単行本化.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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Euler法に始まり、Adams型、後退微分、予測子修正子法、Runge-Kutta法の紹介の他、(線形)安定性、硬い系の説明がある。常微分方程式の数値計算法に関する日本語書籍は多くなく、数学的な解説は特に少ない印象があり、貴重な一冊と思う。ただ、帯に「理工系大学初学年生」向けとあるが、そこそこ行間もあり結構難しく、関数解析の最初と複素関数論くらいは分かったほうが読みやすいと思う。高階導関数の表記と組合せ論の繋がり、到達可能次数問題などは興味深い。数値計算の奥深さの一端を垣間見ることができるという点でいい2023/03/02