出版社内容情報
イスラームの教義を脅かすアリストテレス主義を論駁するために執筆された本書は,アリストテレス哲学への第一級の入門書として受容された.ヨーロッパ中世においても基本文献とされた古典中の古典.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
11
アリストテレス哲学はイスラム教に入り、イブン・シーナーなどに引き継がれた。ガザーリーはアリストテレス哲学を論駁しようと、まずはその哲学体系を要約する。ガザーリー自身の考えは『哲学者の自己矛盾』で展開。序文でアリストテレスに反論するための書だと明言しているにもかかわらず、ガザーリーがさもアリストテレス哲学に賛同していたかのような誤解を生んだ。イスラム世界におけるアリストテレス哲学の概説書。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51506770.html2019/07/27
荒野の狼
3
1058年生まれのイスラムの大思想家ガザーリーの著書。ガザーリー自身は、スーフィズムを重んじ、神学や哲学を徹底的に研究した上で、論破した人物。哲学者の誤りを指摘するためには、まず、哲学の何たるかを明快に解説することが必要と考えたガザーリーが書いたのが本書。この後に書かれた“哲学者の自滅(矛盾)”を読まないとガザーリーの主張はわからない(もっとも“哲学者の自滅”もガザーリーがスーフィズムに傾倒していく以前のものなので、最終的なガザーリーの到達点は、“宗教諸学の再興”などを読む必要がある)。2013/05/28
脳疣沼
2
すごく普通の古代哲学という感じ。イスラムの哲学史をまったく知らないので、逆にイスラム国的なヤバい感じがなくて驚いた。2015/09/27
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