- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 文化・民俗
- > 文化・民俗事情(海外)
内容説明
ペレストロイカ後期からソ連解体直後まで、多民族連邦国家の再編・解体・再構築の試みを、ソ連史70年の歴史的背景のもとに、錯綜した諸関係を解きほぐしつつ記述する。権力の移行期・空白期に噴出した民族紛争(戦争)の経緯は、民族と国家体制との間の矛盾が生み出す歴史過程のダイナミックスをめぐって、今われわれに何を語りかけているのだろうか―民族・地域紛争の現代史。
目次
第1章 ロシアの民族問題および連邦体制をめぐる論争(前提―ロシア共和国/ロシア連邦の民族問題と国家構造;ペレストロイカ後期におけるロシア共和国の内部問題;ソ連解体直後のロシアにおける内部共和国問題)
第2章 ヴォルガ=ウラル地域の場合―タタルスタンを中心として(背景;ペレストロイカとタタール自治共和国;ソ連解体後の最初の局面)
第3章 北カフカースの場合―チェチェンを中心として(北カフカース概観;ソヴェト時代末期のチェチェン=イングーシ;チェチェン革命とロシア)
著者等紹介
塩川伸明[シオカワノブアキ]
1948年生まれ。専攻、ロシア現代史、比較政治論。東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)博士課程単位取得退学。東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DIVERmope
0
20世紀末の連邦制の変遷と、民族問題にスポットを当てた著作。膨大な資料をもとに、冷静かつ客観的な分析が行われている名著。ペレストロイカといえば、日本国内においては「自由への道を開いた改革」という印象が強いかもしれないが、ペレストロイカ期に生じた混乱を深く知りたい、チェチェンをはじめ、北カフカスやヴォルガエリアの諸問題、構成、問題に興味がある、という方は読んでみるといいかもしれない。しかし、これは専門書であるため、当然のことながらロシア、ソ連に対する膨大な予備知識が必要となります。2014/01/19