内容説明
デンマークの王子ハムレットは、父王の亡霊から、叔父と母の計略により殺されたことを知らされ、固い復讐を誓った。悩み苦しみながらも、狂気を装い、ついに復讐を遂げるが自らも毒刃に倒れる。美しい恋人オフィーリアは、彼の変貌に狂死する。数々の名セリフを残したシェイクスピア悲劇の最高傑作の新訳。脚注・解説・日本での上演年表付き。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
133
この方の訳がいいとすすめてもらい手に取った。シェイクスピアの文章は、解釈が幾通りも可能で、さらに演劇だから原語のバージョンが幾つもあるために解釈がさらに増えるということを解説で知る。この方は、訳の根拠、つまりその訳を選んだ理由を原文とともに紹介されているので、原文への興味が湧く。高校の英語の授業の予習を1人で悩みながらテーブルでやり、分からないところを祖父に聞くことがよくあった。その時に教えてくれたひとつに、to be or not to beがあった。思い出の引き金になる、この有名な科白。2021/10/15
ケイ
114
先日読んだ『ハムレット!ハムレット!』が消化不良だったので、改めて原作を読んだ。 不可解さ、難解さの奥にある激しいエネルギーを感じる。作家から迸り出るようなもの。 シェイクスピアが息子を失ってからほどなく書かれた戯曲だと思うと、圧倒される熱量は、悲しい怒りから発するものだろうか。改めてこの表紙をみる。下の老人が元国王ハムレット、毒を注ぎ込むのがクローディアスだろうが、奥の王座にいるのはだれ?2022/09/28
れみ
112
舞台はデンマーク。父王の死に叔父が関わっていることを知り精神を病んだふりをしつつ復讐心を燃やすハムレットのお話。芝居観に行く前の予習として。復讐のため常軌を逸した振る舞いをし愛するオフィーリアにも冷たく当たる様子…演技とはいえそこまでできてしまうのはそれはそれでちょっと異常という気もする。終盤、主な登場人物がバタバタと倒れる辺りは、あらあら、あらあら…って感じ。お話の筋には直接関係ないことだけどシェイクスピア作品らしい詩的な部分や言葉遊び的な部分を日本語に置き換えるのってとても難しそうだなあ。2017/04/24
buchipanda3
103
著者の最も著名な戯曲、デンマークの王子ハムレットの悲劇。父王の仇と思う叔父への復讐という話だが、読む間はストーリーよりも主役のハムレットが見せる人格の多彩ぶりに翻弄されまくった。直情、狂乱、無垢、聡明、シニカル、無遠慮、無鉄砲、口達者、律儀。策略として狂気を装ってはいるが、どこかでその境目を越えたかのよう。しかし放たれるセリフには奥深い意味が込められているようでもあり、一言一言の強烈さがあった。「尼寺へ行け」、オフィーリアとの感情の繋がりは実際どうだったのか。読後もあれこれ思わずにはいられない作品だった。2022/03/23
KAZOO
103
シェイクスピア全集については、最初に福田恆存訳のを読んで、その後に小田島雄志さんのが出て、決定版かと思っていたのですが、最近二十数冊まで出されている松岡和子さんの訳が評判のようなので読んでみることにしました。確かに読みやすく、さらっと読んでしまうことができたのですが、雰囲気がなんか物足りないような軽いような気がしました。最近出版されているのまでとりあえず通読してみようかと思っています。2015/07/18