出版社内容情報
時は,バブル絶頂期.ところは大阪,降って湧いたマンション建設話と学校の体育館建て替え話に巻き込まれる団塊世代の中年サラリーマン.打算や対立,憎悪や裏切り.俗物どもの思惑が入り乱れてのドタバタ大騒ぎ.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hibimoriSitaro
4
再読。1998年6月初版。昭和末期東京から単身赴任してきた商社マン(総務課)が大阪を見聞する話。バブルに翻弄される町内と,バブルに動じない落語界の双方が対比的に描かれる。米朝一門が実名でばんばん登場するから上方落語好きにはたまらんおもしろさがある。主人公の相方になる「桂朝之助」は仮名だが,エピソードからして歌之助さんに間違いあるまい。かんべさんは「水素製造法」以来かなあ,もっと読みたい。2020/06/26
renren
2
いや面白かった!バブル時代の大阪、東京から半左遷されてきた暇なサラリーマンとマンション建設反対運動と、落語家さんの話。ほとんどの落語家さんが実名なので米朝一門に興味があると数倍楽しい。反対運動の学生運動崩れの夫婦もまた楽し。要素が盛り沢山な割には話は「ナンセンスな騒動」以上でも以下でもないが、作中の描写によるとそれもまたいいのだろう。大阪についても日本そのものについても、随所に光る考察がある。また読みたいなあ。2012/05/05
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