内容説明
中学生のときに学習雑誌に投稿して入選。自分を天才だと思った少年は俳句創作に突き進む。学園紛争の薫陶を受けた高校時代は「造反有理」に強く惹かれる。勉強せず二浪して大学へ。俳句は加藤楸邨に師事する。定番にもアンチ定番にも染まず、七〇年代の政治の季節を彷徨する若き日々。人間への共感あふれる抱腹絶倒の青春記。
目次
「天才」俳句少年の恍惚
「今井君、ホーマーを読みなさい」寺山修司
豚児、出奔す
ジャニスを聴きながら
前衛的二浪生活
雪の北大路通り
寮費タダ、優しくもアブナイ先輩たち
東京戦争敗戦記
リアルの探求
ラーメン代を借りた友の指名手配
女子大生はタダ、しかも交通費つきの銭湯
働くことのリアリズム
楸邨の「寒雷」と戦争責任
「小野田少尉とし重房信子のために」
うつくしや障子の穴の…刹那的に明るい婦人服会社で働く
就職のためにクリスチャンになるも…
ディオゲネス的生活
秋桜子と楸邨のテニスマッチ
「しずかにするだが」
著者等紹介
今井聖[イマイセイ]
1950年生まれ。明治学院大学経済学部、文学部卒業。俳人。1971年「寒雷」入会、加藤楸邨に師事。1996年俳誌『街』を創刊主宰。脚本を馬場當に師事し、1995年映画「エイジアン・ブルー浮島丸サコン」の脚本を山内久と共同執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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古山一彦
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面白かったです。 ワタクシ、米子は知らない、つうか鳥取知らない、俳句知らない、70年代しらない、ですけど、愉快に読めました。生きた時代や土地は変えられませんけど、俳句への情熱とその他へのヘタレ具合は本人のキャラクターです。憎めません。深刻な個人史の書き方も無駄な感情がなくてよかった。 俳句って面白いですね。興味を持たせてくれたんだから、ありがとうです。2013/02/23
かみふ
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読みやすいし、いつのまにかハマっている。最後のページだと気付かないくらいに。2009/04/17
たつのすけ
0
〇2021/02/25
MATSU231
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中学のときに投稿した俳句が評価されてから始まった俳人としての歩み。横浜高校の教師になったところまでの俳人的青春期。2020/01/04