内容説明
二〇〇九年の国交大臣の中止発言、一〇年一一月の中止棚上げ発言などで日本中の注目を集める八ッ場ダム計画。五八年の長きにわたって住民を翻弄してきたダム計画の経緯を資料をもとに詳しく振り返り、この巨大なコストを伴うダムが治水にも利水にもまったく不要であるばかりか、多大な環境負荷や地すべりなどのさまざまな災いをもたらすことをデータで立証。地域がこれまでの断裂を乗り越え、歩むべき再生への道を模索する。
目次
第1章 八ッ場ダム問題とは何なのか
第2章 八ッ場ダム計画の歴史(ダム構想の発端―昭和二〇年代から三〇年代へ;再浮上したダム計画―昭和四〇年代前半;国策と住民との闘い―反対派町長誕生へ 昭和四〇年代中頃 ほか)
第3章 首都圏の住民にとっての八ッ場ダム計画(八ッ場ダムの必要性を検証する―利水面からの検証;八ッ場ダムの必要性を検証する―治水面からの検証;ダム事業を推進するための基本高水流量 ほか)
第4章 八ッ場ダム問題のこれからを考える(八ッ場ダム予定地の現状;政治の場での八ッ場ダム見直しへ;八ッ場ダムを中止させるまでの法的手続き ほか)
著者等紹介
嶋津暉之[シマズテルユキ]
1943年生まれ。1972年東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得満期退学。2004年3月まで東京都環境科学研究所勤務。現在「水源開発問題全国連絡会」共同代表、「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」代表。各地のダム問題について技術的な解析を行っている
清澤洋子[キヨサワヨウコ]
清澤(渡辺)洋子。1957年生まれ。1980年東京外国語大学卒業。出版社勤務を経て2002年から「八ッ場ダムを考える会」事務局、2007年から「八ッ場あしたの会」事務局を務める。現在「八ッ場あしたの会」事務局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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