出版社内容情報
法とは何か,を社会学的一般理論の観点から解明する.とくに法の歴史的考察をふまえて法形成の原理論と実定法の分析とに加えた鋭い洞察は,錯雑した諸問題をもつ現代法の理論的把握を可能とする.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
著者がシステム論の第三世代オートポイエーシスを採用する前の、複雑系をベースにした社会システム論から法を対象とした本書は、法をその形成と維持の過程として捉える。その際、自然法/実定法という従来の区別は2つの予期(認知的予期/規範的予期)という行為から捉え直され、両者の不確定性が二重の選択(ある個人の伝達内容が他の個人の前提になる)を行う際に初期的ルールが形成され、そのループが始まり、繰り返されて異なる次元を作り、体系化に向かうとした。その不確定で複雑な過程を通して予期が秩序となる時、法は意味を持つとされる。2024/07/06
YY
1
認識的予期と規範的予期から社会を分析し、法が何たるかを描く。法は法実証主義によるような定義でもなく、道徳など希望を入れ込むような定義でもなく、規範的予期の整合的一般化として描かれる。難しかったが、法社会学、社会学の最重要作の一つであろう。2012/01/16
じょに
0
予期理論
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