出版社内容情報
これまでの人生は大阪・東京半分ずつ.幼い日の淀川の光景,結婚して移り住んだ東京での暮らし,身のまわりの動植物や食べもののこと,身を浸して読みこんだ本.柔らかく鋭く刻まれた,味わい深い川端賞作家の初のエッセイ集.
内容説明
柔らかく確かな筆致で刻む好きなものたち、心に残る情景。待望の初の随想集。
目次
1 ふるさとの声(淀川と町と私のこと;吉野川 ほか)
2 日々の暮らし(そらみみ;静かな時間 ほか)
3 自然のおくりもの(光の雫;風の日と雨の日 ほか)
4 よむ、みる、きく(台所の詩人たち;小出楢重の随筆 ほか)
著者等紹介
岩阪恵子[イワサカケイコ]
1946年奈良県宇智郡(現五条市)に生まれる。一歳で大阪市旭区大宮町に移る。関西学院大学文学部を卒業後、70年結婚により上京。86年『ミモザの林を』で野間文芸新人賞、92年『画家小出楢重の肖像』で平林たい子賞、94年『淀川にちかい町から』で芸術選奨文部大臣賞と紫式部文学賞、2000年『雨のち雨?』で川端康成文学賞を受賞。小説のみならず評伝でも高い評価を得る。寡作ながら常に新しい作品が待たれる作家である
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感想・レビュー
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Etsuko
1
この本を読んで、そうそう小さな頃こんな生活だったと懐かしい感じがした。同じ大阪、川の近くというのもあるのかな。読み進めながら、暖かい気持ちになった。いい本でした。2013/06/06
cheap cheap
0
ああ野菜涅槃図というものがあるなんて!(もちろん検索。じわじわくる)これだけで読んで良かったと思ってしまう。よむ、みる、きくの項は興味深いものが多々。表紙の絵がとてもいい。2013/04/05
ma-ko
0
★★★★☆2010/06/11
ミドリ
0
親世代の著者の描く日常に、私の母も私をこのようにいとおしんでくれていたのか、と重ねる。暖かな部屋のような本。2010/01/19
usaginojump
0
自分と同じく、関西出身で関東生活が長いという筆者に興味を覚えて読んだ。関東で関西弁を聞いて恥ずかしくなる気持ち、よくわかった。台所に立つ女性を読んだ詩や文章、少し時代が古いけど、今も同じだな、と共感できた。この作者の小説を読みたくなった。2021/05/25