出版社内容情報
近代的所有権について,その現実的な社会現象としての構造を分析する.そして,所有権を個人個人との間の社会関係として構成して,近代市民法の基礎構造を明らかにする.版を改め,新たに著者による解題を付した.
内容説明
「所有権」として法律的に現象している近代的所有権について、規範論理的な意味をではなく、その現実的な社会現象としての構造を分析する。そして、所有権を個人と個人との間の社会関係として構成して、近代市民法の基礎構造を明らかにする。著者の研究の出発点となった記念碑的著作。今回、版を改め、新たに著者による解題を付した。
目次
第1章 序説
第2章 近代的所有権の私的性質
第3章 近代的所有権の観念性と絶対性
第4章 商品所有権の流通(所有権の商品性;物権取引法)
第5章 資本としての所有権
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
60
弁護士になった知人が法律を勉強するのならイェーリングの権利のための闘争を読めといった。権利のための闘争を読んだら川島武宜を読めというので読んだ。はしがきの「法解釈がそれ自身の主体性を失い権力に隷従し、また、蒸しそうで頻瑣な教義学に堕するかぎり、それは無用となり或いは有害となるだけである」が印象的。法律屋さんは、権力に隷従していて、主体性を失っていると感じていた。「物件法の基礎理論」という大学の講義に基づくものとの事。イェーリングの「権利のための闘争」 を参照していた。法理論を連続的に理解し始めるのに役立。2013/06/23