グアテマラ虐殺の記憶―真実と和解を求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000004480
  • NDC分類 257.1
  • Cコード C0022

出版社内容情報

1996年まで30年以上続いた内戦でマヤ民族を中心に20万人を超える死者を出した中米グアテマラ.紛争犠牲者を癒し,社会を再建するには何が必要なのか? 6000人にのぼる証言を集め,暴力の実態と紛争の真実を明らかにする.

内容説明

三六年間におよぶ長い紛争に引き裂かれた中米グアテマラ。二〇万人を超える死者・行方不明者を出し、その大半が先住民族マヤの人々であった。六〇〇〇件を上回る生の証言が暴き出すジェノサイドの真相と傷跡、そして再生への道筋が本書で示されている。

目次

はじめに―歴史的記憶の回復
第1部 証言―破壊(暴力はひとりひとりに何をもたらしたか;種子の破壊;共同体への攻撃)
第2部 恐怖のメカニズム(暴力の情報網;住民を標的に;恐怖のメカニズム)
第3部 二度と再び(暴力に立ち向かう;尊厳を取り戻す女性たち;二度と再び繰り返さないために)
勧告―社会再建への道

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梟をめぐる読書

5
グアテマラ軍事政権下の30年間持続された最悪の虐殺(死者20万人以上!)のプロセスを、生存者の証言と資料から紡ぐ。今日の私たちはジェノサイドについてより多くを知っている、たとえばヒトラー政権下のドイツでのような管理型の虐殺について知っているし、前世紀末のルワンダでのような原始的な虐殺の事例についても知っている。しかし「知っている」と錯覚した瞬間、私たちは歴史の陰に隠されたグアテマラの虐殺について知る機会を永久に見失う。2011/12/25

よきし

4
30年以上続いた内戦の後半、米軍の支援を受けたグァテマラ政府は自国のマヤ系先住民およそ20万人を虐殺した。国家による組織的虐殺はどのようにして起こり、正当化されたのか。虐殺の中を生き延びた人々はそれをどのように語るのか。人が人を殺すということの意味を問い直す「移行期正義」問題の基礎文献といえる。なかでも虐殺されたくなければ虐殺する側となることを強要し民兵とされた先住民が人を殺せるようになるための訓練に慄く。この本を読めば、死刑を含め人が人を殺すということはいかなる事情があれど正当化出来ないと理解できる。2016/07/20

KAYU

3
一つ前に読んだ「私の名はリゴベルタ・メンチュウ」が個人の視点と証言に基づいて作られた本であるのに対し、本書は当時実際に起きた事件、統計的なデータ、そして数々の“当事者たち”による証言により作られた本であり、より客観的に内戦の状況をうかがい知ることが出来る。一人称で語られた「私の名はリゴベルタ・メンチュウ」を読んだ後に客観的な分析・編集を施された本書を読むことで頭の中が整理されるので両方読むことをオススメする。出てくる証言は、やはり眼を覆いたくなるような残虐な行為の数々である。恐怖による民心制御は恐ろしい。2018/05/16

たろーたん

1
虐殺が起きるとどうなるのか。それは殺されるだけではない。恐怖を植え付ける戦略として、公衆の面前で拷問、遺体を晒す、バラバラ死体などを見せつけられ、「こいつが非協力的だから殺されたんだ」と自業自得の論法を押し付けられる。一人で生活できない子供は危なく、両親が殺されて、加害者側に引き取られることもある。ゲリラの支持基盤と見られる3分の2を占める先住民の共同体を除去するため、家々の焼き討ちや収穫物・家畜の焼き捨て、家財道具や象徴物の破壊・爆撃と大量破壊が起きる。(続)2023/04/15

Arte

0
60年代から30年以上に渡って、政府が原住民中心に、国民を誘拐して殺したり拷問したり、村ごと焼き払って殺戮したり、収容所に入れたりしたことについて、被害者加害者にインタビューして、グアテマラ大司教区人権オフィスがまとめたものの抄訳。これが出版されたことで司教が暗殺されたらしい。マヤの諸言語→スペイン語への翻訳が大変なようで、抄訳なこともあり、断片的な印象は免れないが、ジェノサイドがあった国でこのような記録が出版されたこと自体が非常に重要だと思った。2017/09/26

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