出版社内容情報
その昭和10年頃の時代色を漂わせたフィルムがうつると,思わずそこに自分自身の記憶を二重写しにして浮かべ,自分の過去を覗き込んでいるような心持になるのだ.――本文より.『五人の斥候兵』等,映画を通してみる昭和史.
内容説明
当時、中学3、4年生だった私は、映画館がよいをしはじめた年頃であり、その昭和10年頃の時代色を漂わせたフィルムがうつると、思わずそこに自分自身の記憶を二重写しにして浮かべ、自分の過去を覗き込んでいるような心持ちになるのだ(―本文より。)『五人の斥候兵』から『東京五人男』、『自由を我等に』から『黄金狂時代』まで、東西20数本の映画を通してみる昭和史。
目次
郷愁について『わが友イワン・ラプシン』
戦場の孤独『限りなき前進』『五人の斥候兵』
月は何ゆえ落ちざるや『路傍の石』
やましさと笑いと『自由を我等に』
戦争が終わったら『大いなる幻影』にこもるもの
アメリカ人の〈魂〉『オペラ・ハット』『スミス都へ行く』
レオ・マッケリーの限界『我が道を往く』
沈黙の優越性『一人息子』『生まれてはみたけれど』
行動力から暴力まで『東京の合唱』『淑女は何を忘れたか』
疎外される側から『激怒』『暗黒街の弾痕』
デュヴィヴィエの時代『地の果てを行く』『商船テナシティー』
両大戦間の終幕『望郷』『舞踏会の手帖』
無意識の予感『暖流』
熊の優しさ『東京五人男』『黄金狂時代』