出版社内容情報
存在への問い,西欧形而上学を導いたこの根本的な経験は,果たして〈他者〉と出会う場をひらくだろうか.ギリシア悲劇から,ハイデガーの存在,レヴィナスの神まで,新しい倫理を開く〈問いの道〉を求めた思索の記録.
内容説明
存在への問い、西欧形而上学を導いたこの根本的な経験は、果してそのはてに他者を問いうる場=倫理的な次元をひらくだろうか…ギリシア悲劇に、〈無〉と〈存在〉の演劇的な結晶を読み、“問いの道”の二つの終末形態、ハイデガーの〈存在〉とレヴィナスの〈神〉とを対比する。神々と人間をめぐるギリシアの思索から、無人称の存在の経験を介して、他者に神の痕跡を見出す倫理の地平へ。世界の主観への回収を帰結しない思考の次元の探究。思想の全重量を託したダイアローグ。
目次
自由と運命―ソフォクレスの悲劇的人間像
存在への接近―ハイデガーの根拠
他者の痕跡
存在とは違って―レヴィナスの神
存在の経験