内容説明
宝石の力、愛するアルグル、そして自由を手に入れ、“レイヴン・タワー”を後にしたクライディだったが、なぜか心は晴れない。そこで気がかりだった奴隷仲間を救いに“ハウス&ガーデン”に戻ると、そこでは革命が起きており、奴隷と貴族の立場が逆転していた。複雑な思いのクライディに、突如「ウルフ・タワー」の主からのお達しが。不安に思いながらも、アルグル、奴隷仲間のデングウィと共に“シティ”へ到着すると、そこにはなんと“ライズ”のヴェン、“レイヴン・タワー”のウィンターとその子分ヌガルボが。いったいなぜ?「全ての謎はウスタレスが握っている。南へ行きなさい」そう命じられた6人が、南で迎えた大団円とは…?そしてすべての謎がとかれる。
著者等紹介
リー,タニス[リー,タニス][Lee,Tanith]
1947年にイギリスのロンドンで生まれる。CatfordのPrendergast Grammer Schoolで中等教育を受け、9歳の時から創作を始める。卒業後は図書館の助手や店員、文書整理係、ウェイトレスなど様々な仕事に就き、25歳の一年間は美術大学で学んでいる。1970年から1971年にかけて、子供向けの本を3冊出版。1975年にDAW Books USAが『The Birthgrave』を出版。その後立て続けに26冊が出版され専業作家となった
中村浩美[ナカムラヒロミ]
翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さーさん
5
シリーズ最終巻。アルグルとヴェンの母・ウスタレスの存命を知らされたクライディたちは、ウスタレスが支配する南の国<サマー>へ旅立ち、すべての真実を知らされる。クライディ出奔後の<ハウス>の革命には驚き、それすらジザニアの手の上というのは腹立たしい気もするけど。南の国の旅は未知のものだらけでなかなか楽しく、ヴェンたちの恋模様もあるべきところに収まってよかった。ちょろちょろ登場する仮面の石像たちがユニークでお気に入り。秘められた力を自覚したクライディはこれまで以上に自由に世界に羽ばたく。アルグルとお幸せに!2022/07/05
けいねこ
1
物語全体を通して、男性陣はどうもキャラが薄いような。中学生の女の子だったら夢中になるかな、という気もするけれど。脇役は結構味があるけど。でも、作者も意識的にそうしているのではないかと思う。この物語は、きっと女の子たちへの応援歌なのだ。人生は翻弄されがちなもの。でも、自分で選ぶこともできる。クライディは生まれながらの力に助けられもしたけれど、やり抜くもとになったのはその力じゃない。クライディを支えるのは意志の力。自分が自分でありたいという思い。まず、自分をしとっかり持つこと。運命はそこから開けるのだから。2006/01/12
ひきけ
1
そうして向かえた最終話!今まで分からなかった事が分かったり分からなかったり(ぇ)人物の入れかわり立ち回り…色々あったけど二人の話は、まだこれからであるー…てか?(何コレ/汗)2012/12/12
haru
1
*2.6 分厚いけれど軽いのでさくさく読める。女の子向けのRPGって感じ。お馬鹿ですぐパニクっちゃう"わたし"の女の子っぽい描写は、さすがタニス・リー。けれど大円団過ぎて、もう少し悩ませて欲しかった。2009/11/29
詩歌
0
一巻より二年後。奴隷解放運動が起こっている。怪しい石像はまるで傘地蔵。2014/04/10