内容説明
本書は、世界のユダヤ人社会で高く評価されている杉原千畝領事の博愛主義による歴史的記録です。
目次
第1章 逃れてきた人々
第2章 華やかなヨーロッパ
第3章 暗雲の広がり
第4章 敗戦の予感
第5章 囚われの身
第6章 祖国の苦い土
第7章 再会
終らざるドラマ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
56
ロシアからの圧力、外務省との軋轢。様々な障害がありながらも、杉原は電車が走りだしてからも、ユダヤ人に通過ビザを書くことを止めなかった。何かあった時人は集団におもねりがちだが、杉原がそういう人間にならなかったのは、彼がまだ少年だった頃から、すべてを自分でじっくりと考えて決めていたからではないだろうか。彼には彼の善悪の判断基準がちゃんとあり、それを決して曲げなかったが、どんなに杉原個人の思いが強くても奥さんの同意と後押しなしにはとてもできることではなかった。まさに、この夫にしてこの妻ありという夫婦だった。 2016/08/23
sora
32
以前に千畝の妻幸子夫人の講演を聞いたことがあります。高齢のせいか、それとも性格なのか、言いたい放題だったことが印象に残っています。あのくらい逞しくないと、生きていけれなかったのかもしれないと当時思ったものでした。旧版は読んだのですが、今回は新板。改めて読んでみたいと思ったのは、杉原千畝記念館に行ってから。本当は、五平餅と紅葉を見に行ったついでのつもりだったのですが、こちらがメインになってしまいました。2015/11/08
ハッチ
30
★★★★★映画化されるという事で奥様が書いた手記を読んだ。6000人のユダヤ人を国の命令に反して、命のビザを発給した杉原千畝は偉人だと思う。彼とその家族は敗戦国の人として、収容されたりされたりすのだが、誰にも分け隔てなく接する杉原千畝はドイツ人、リトアニア人、ソ連人にも色々助けられている。同時に誰からも好かれる人がらたったのであろう。同郷にこのような人がいる事は誉れであると思う。2015/11/06
Nobuko Hashimoto
25
杉原千畝夫人・幸子氏による回想録。リトアニアでのユダヤ難民へのビザ発行のエピソードは冒頭の五分の一ほど。残りは、リトアニア赴任前のこと、リトアニアを引き上げた直後のプラハでもユダヤ人にビザを発行していたこと、ルーマニアで終戦を迎え、その後一年四カ月もソ連各地の収容所を転々とする日々を過ごしたこと、帰国後、外務省から辞職を勧告され、職を転々としたこと、杉原ビザで救われた人々との再会などが語られる。全編を通じて穏やかな記述が続くのだが、退職勧告の無念さや憤りについては率直に語られているのが印象的である。2017/06/11
ごへいもち
24
読友さんご紹介本。感動。リトアニアでの人道的行為は終戦間際ではなく昭和15年ごろの話だったらしい。こんな親を持って本当に幸せという息子さんの言葉。2014/07/01
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