はだしのゲン 〈第10巻〉

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784811300399
  • NDC分類 K726
  • Cコード C0079

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

169
はだしのゲンを悩ましたもの。恋。逢いたい、その溢れ出る想いは反骨心とはまた異なる大いなる強さ。春の風を瞳から感じ入る最終話。いくらお金があっても買えないものがある。心であり、命である。「原爆」あえてこの表現を使わず感想を書いてきた。人と人がいくら支え合っても限界がある。その残酷さを知る人間がなぜ過ちを犯すのか。自らの力で直立するしかない現実に心が痛む。長い期間をかけて本を読み切る体験は貴重だった。読まない間も、人としての正しさに向き合えた。踏まれてもたくましい芽を出す麦になれ。やがて豊かな穂を実らせよう。2024/01/30

八百

30
夢中になって貪り読んだ全10巻、やっとゲンにも春がと思ったが初恋の人までが原爆症で亡くなってしまうのは作品の性格上とは言え悲し過ぎる。それでもラストは希望を胸に抱いた旅立ちとなるのだが目指す先の東京にはちょっと違和感、出来れば広島でひと旗上げて欲しかったね。そして全てを読んだ上での感想としては語り継ぐべき名作であることに異論はない、但し子供たちに対しては過激な表現の緩和はもちろん「ヤクザだから殺す」などの暴力の肯定は戦争となにひとつ変わらないことをしっかりと教えてあげるべき。大人の役割は重要である2016/07/25

シッダ@涅槃

28
最後の隆太の最高にクールなバイオレンスシーン(任侠映画的な)とゲンの悲惨な運命に負けない生き方が非常にかっこよく読後感は清々しさまで覚える。左がかった主張もずっと左派機関誌への提灯と邪推してたが、商業誌では原爆投下直後の阿鼻叫喚は描けても、政治的えぐさ(例:天皇の戦争責任追求)は機関紙でなければ表現出来なかったのではないか、と思っている。2018/08/04

活字スキー

24
【悲しみを怒りに変えてください。戦争を起こし原爆を落とした奴らに怒りの声を上げてください。どうか戦争を賛美することだけはやめてください】作者である中沢さんの実体験が反映された凄まじい描写には様々な方面からの批判を受けながらも、版を重ねて読み継がれてきた反戦漫画の金字塔。時代の空気にただ流されるのではなく、「今読まれるべき本」を届けようという矜持で戦い続ける隆祥館書店さんで平積みされているのを見て、スルーすることは出来なかった。2023/03/09

ミロリ

23
『君が代』を歌わない意味がようやく分かりました。長髪のゲンは新鮮……少し戸惑う。ごめんなさい隆太は逮捕されて罪を償うべきです。定期的に人を殺めていませんか……逃亡が成功して、今後のうのうと生きるのですか(;O;)戦後社会はそういう方が多かったのかと思うと、怖いです。最終巻の10巻でありますが、トータルで多少の偏見を持ったことは確かです。原爆投下後、未熟なゲンが描かれていたころは、多くの人に読まれてほしいのようなことを思ってましたが、全巻読んでみると、頭が柔軟な子供には読ませたくないと思いました。2015/02/01

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