内容説明
本の山に分け入る。自然科学の眼は、ドウス昌代、かわぐちかいじ、杉浦康平、末井昭、秋野不矩…をどう見つめるのだろうか。東大教授にして路上観察家が描く読書をめぐる冒険譚。
目次
活字の周辺
『ヴォーリズの建築』『ヴォーリズの住宅』山形正昭―日本の西洋館といえばこの人だ
『一古書肆の思い出』反町茂雄―古本屋さんの“宝物”探検記
『都住創物語』中筋修―新しいタイプの町屋はこうして
『近代の小道具たち』E・ヴァイグル、三島憲一訳―羅針盤だけでデカい哲学が語れる
『当世病気道楽』別役実―歯痛とは「哲学に至る病」
『銀座カフェ・ド・ランブル物語』森尻純夫―コーヒーとワインの共通点って何
『ガイアの時代』J・ラヴロック、S・P・プラブッダ訳―土着的なエコロジー感覚を殴る思想
『ドバラダ門』山下洋輔―わが祖父は稀代の監獄建築家だった
『和風探索』GK道具学研究所・山口昌伴―「踏み台」ひとつにも謎がいっぱい〔ほか〕
著者等紹介
藤森照信[フジモリテルノブ]
東京大学教授。1946年、長野県茅野市に生まれる。大学・大学院では近代建築。都市計画史を専攻する。全国各地で近代建築の調査、研究にあたる。その後、赤瀬川原平、南伸坊、林丈二、松田哲夫らと「路上観察学会」を発足させる。著書に『日本の近代建築』(岩波新書)、『タンポポ・ハウスのできるまで』『タンポポの綿毛』(ともに朝日新聞社)など。建築家の作品として、「神長官守矢資料館」、「タンポポ・ハウス」、「ニラ・ハウス」、「秋野不矩美術館」などがある
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感想・レビュー
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りー
14
まんまと、そう、まんまとやられました。藤森照信さんこと、テル坊の書評は、「あー、読みたい本ばかり増えて、消化できないのがダメよね」なんて思いを上書きして、何冊も・・・くっ、やられた。1990年~2000年に書かれた文章なので、今は読めない本も多いと思いますが、追いかけてみたい気持ちにさせられました。何て楽しそうに読んでいるのだろう。この軽やかな思考が、やがて自宅“タンポポハウス”や“高過庵”などの作品に繋がっていくのだなぁ。直接作品に繋がったと見られる本も紹介されていて、ファンとして興味深かったです。2020/01/19