内容説明
死はいつも人間の“諒解”をこえる。そのことを見失うと、医療は“臓器の科学”に顛落する。現代の医療に問われるさまざまな問題を根源から凝視め直し、そこから、われわれにとって死とは何か、そして生とは何かを問う。
目次
1 医療と科学―交わりとはみ出し(医の倫理と科学者の倫理;脳死判定の落し穴―科学的判断基準;脳死を考える)
2 エイズと人権(エイズと人権;エイズを通してみた日本;伝染ることの意味)
3 dialogue病院の内部/外部(“流行病”のエピステーメ;二一世紀の医療の目指すもの;尊厳死をめぐって―往復書簡)
4 生を問い、死を想う(死すべきものとしての人間;科学的人間像の問題;健康ブームの陰で ほか)