感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
134
出版社が変わっただけで『色の名前』とほぼ同じ内容だった。違うタイトルだからつい買ってしまったではないか~(涙)でもこのシリーズは本当に写真がとても美しい。自然の中にある多彩な色の名前が紹介されている。太陽の恩恵を受け、水と大地と温度差のある地球の素晴らしさ。気が遠くなるほどの地球の歴史の中の、ほんのわずかな時間でしかないこの現代に残されているものを奇跡に感じる。せめて平安から伝わる古風な色の名前をぜひとも覚えておきたいと思う。 2014/05/23
ちはや@灯れ松明の火
63
いろいろないろはにおえどちりぬるを。何百年前の誰かが見ていた景色を、時を越えて遺された名前の中に想う。芽吹きの歓びを詠う萌木色に若草色、長寿を言祝ぐ松葉色に常盤緑、その名に込められた情は一本のクレヨンでは到底塗りつぶせない。桜色と桃色、菖蒲色と杜若色、竜胆色と桔梗色、似ているけれど同じではない、その響きの中に咲き乱れる季節の花々。素鼠、茶鼠、深川鼠、利休鼠、些細な色味の違いを趣としていとおしみ、真紅、似紅、禁色、聴し色、人の営みは如実に価値を示す名を与えてきた。いろのなのなかに、ひとはあさきゆめをみる。 2014/01/01
けんとまん1007
37
世界は、色に満ち溢れていることを、再認識。そして、それぞれの色に付けられた色の名前が素晴らしい。その地の文化・風土・歴史が表れていると思う。ほんの僅かな違いのようであっても、実際に、生でその場で目にすると、随分と、違うのだろう。気温・湿度・光の具合・・・・すべてが影響するし、その結果としての色だ。2018/11/23
ナキウサギ
26
虹の章にはじまり、空・鳥・草、最後は染め物・鉱物。30年ほど前にプレゼント🎁された本。色彩は光がないと見えない。自然が満喫出来る一冊です。
ひめありす@灯れ松明の火
26
世界中全ての色に名前を付けて、それを知ることが出来たらどんなにか素敵なことだろう、と思う。知りたいとも思うけれど、心に残るその瞬間のただ鮮烈な色合いだけを覚えているのも、また素敵なことなのかもしれない。日本の色はなんとなくこんなイメージですからこう呼びましょう、みたいな感じ。西洋の色は四角四面とこの瞬間のこの色を是と呼ぼう、という印象。建物や衣服が国を表しているように、色の表し方もまた、国によって全然違うんだな、と思う。同じ色なのに、全く違う物の色として見られていたりすると、特にそう思います。2011/11/12