出版社内容情報
19世紀初頭から現在までの日本を機軸にすえ,国民国家の時代を再考する論文集。差異を隠蔽しながら人々の精神と肉体を国民化してゆく帝国主義の手法を見つめ,依然としてその概念に縛られた現在の状況を解明する。
序論 ナショナリティと母(国)語の政治 酒井直樹
第1部 ナショナリズムとコロニアリズム
熱帯科学と植民地主義―「島民」をめぐる差異の分析学 冨山一郎
有色の植民帝国―1920年前後の日系移民排斥と朝鮮統治論 小熊英二
「作文」の帝国―近代日本の文化帝国主義の一様相 川村湊
脱オリエンタリズムの思考 姜尚中
第2部 表象としてのナショナリティ
「女の物語」という制度 平田由美
「暗愚な戦争」という記憶の意味―高村光太郎の場合 中野敏男
丸山真男の「日本」 葛西弘隆
第3部 ナショナリティの現在
「国民」を語る文体―家または本来的であることの掟 長原豊
近代世界システムと周辺部国家 伊豫谷登士翁
日本バッシングの時代における日本研究 ブレット・ド・バリー
人名索引
内容説明
内に均質な空間を捏造し、外に差異を強調する統合原理=国民国家。本書は未だその囚人であることを呼び覚まし、定石なき社会関係を指向する、国際共同研究の成果。
目次
第1部 ナショナリズムとコロニアリズム(熱帯科学と植民地主義―「島民」をめぐる差異の分析学;有色の植民帝国―1920年前後の日系移民排斥と朝鮮統治論;「作文」の帝国―近代日本の文化帝国主義の一様相;脱オリエンタリズムの思考)
第2部 表象としてのナショナリティ(「女の物語」という制度;「暗愚な戦争」という記憶の意味;丸山真男の「日本」)
第3部 ナショナリティの現在(「国民」を語る文体―家または本来的であることの掟;近代世界システムと周辺部国家;日本バッシングの時代における日本研究)