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出版社内容情報
「笑い」の中にも「毒」を孕み,その強烈さ故,どん底であえぐ民衆の生きる支えともなった近代ヨーロッパの風刺画群。度重なる弾圧にもかかわらず爆発的に広まった当時のカリカチュアの世界を100点近くにわたる図版を駆使して読み解く。
内容説明
18世紀から20世紀にかけて―この時代「笑い」は「武器」でもあった!度重なる弾圧にもかかわらず、爆発的に広まったカリカチュア‐風刺画の世界。“時代の鏡”とも呼ばれるそれらの作品は現実にどんな役割を果たしたのか。
目次
カリカチュアのはじまりを作った ホガース
ナポレオンと闘った ギルレー
版画にきざんだ戦争の悲惨 ゴヤ
近代カリカチュアの父 ドーミエ
子どもを通して社会を批判する ツィルレ
猫と美女と労働者を愛した スタンラン
二つの時代の支配者の顔に挑む グロス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
2
ナポレオンからヒトラーまで、近代ヨーロッパ社会を風刺によって切り取った7人の風刺画たちの生涯を作品とともに紹介。ホガース、ギルレー、ゴヤ、ドーミエ、ツィルレ、スタンラン、グロスの7人。特にゴヤ以降の風刺画たちは、浮浪者、娼婦、戦争被害者、貧しい労働者など、その時々の社会の底辺で苦しむ人々の苦しみや絶望、そしてそれに立ち向かう強さを温かい視線で描き、一方で権力や労働者を搾取する資本家を"毒"をもって批判した。こうした権力に厳しく、弱者に優しい目線が、今の日本には欠落していると強く感じた。2019/01/16