ジェリー・フィッシュ

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ジェリー・フィッシュ

  • 著者名:雛倉さりえ
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 新潮社(2013/12発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103342113

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内容説明

クラゲ水槽の前で突然交わした、初めてのキス。夏の夜、廃墟と化した植物園での貪るようなセックス。真っ逆さまに、恋と性の狭間にころげ堕ちて行った私たちは、永遠を信じない振りして確かに信じていたんだ――。16歳の圧倒的筆力が突きつける、瑞々しい恋、残酷な生と性。デビュー作でいきなり映画化の超問題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

99
2013年の作品。R18文学賞受賞ならずとも最終候補になった表題作がいきなり映像化になり話題に。しかも本作をわずか16歳で書き上げたというのだから、恐ろしい才能ですね。話自体はシンプルに女子高生同士のちょっと歪んだ恋愛が綴られています。しかし、所々にみせつけられる圧倒的な描写力はいきなり映画化も納得の仕上がりです。今から10年以上も前の作品ながら、いつの時代の高校生(特に女子)に読んでもらいたい作品ですね。きっと何かしらココロに残るモノがあるのではなかろうかと。どこか残酷な陰がチラつくのもまたスゴいです。2024/03/24

美紀ちゃん

84
ふざけているのか?本気なのか?わからないけど、キスで始まった2人の関係。 女の子同士。 気持ちが良い事が大好きという叶子に彼氏ができた。 嫉妬して落ち込む夕紀。 「クラゲになりたい」という。 ゆらゆら海を漂うだけの綺麗なクラゲになりたい。 キラキラしていて、キレイなストーリーだった。 痛み→快楽、歪んだ叶子の官能。 連作短編集。文章が美しい。 他の作品も読んでみたいと思った。 2021/10/03

雪うさぎ

40
ヘビには穴はひとつしかない。たったひとつの穴だけで交尾も産卵も排泄も行う。人はどうか、好きという気持はひとつしかないのに、恋愛と友情とを区別する、そこに境目をつけたがる。まだ大人になりきれてない曖昧な境目のとき、彼女達はそれぞれの宇宙を皮膚と言う名の薄い膜で被う。だがその膜は幼く脆く傷つきやすい。自分の持ついびつさに罪悪感を感じ傷口を隠そうとするが、赤い膿が溢れ出す。冷たい硝子の向こうにある青い暗闇に浮かぶクラゲは、まるで宇宙に漂う銀河のようだ。彼女達もまた、この星に漂うクラゲのように思えた。2014/10/14

PAO

28
「だれもが十七歳のはずなのに、青春なんて程遠い。灰色で、薄暗くて、倒錯的で、いびつで、腐ってる。これが私の春なのか。たった一度の、春なのか」…「青春」という美しい欺瞞に全ての傷を隠蔽された若い心と体が悲鳴を上げ血を流す…それを描く文章は凄まじく繊細で美しい…そのアンバランスがたまりません。最後の『崩れる春』が国語の教科書に掲載されるならば、この国のいじめや自殺は半減するのではないかと思ってしまいました。優しく愛撫してるクラゲを次の瞬間いきなり握り潰しその欠片を唇で啜るかの様な残酷さに戦慄と陶酔を覚えます。2019/11/11

keith

19
思ったより難解な本でした。もう少しシンプルでないと分かりにくいと思ったのは、おっさんだからでしょうか。2019/09/04

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