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コスタリカを知るための55章

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750318806
  • NDC分類 302.576
  • Cコード C0336

出版社内容情報

中米の緑豊かな熱帯の小国コスタリカ。エコツーリズムや軍隊を廃止した平和主義など日本人の関心も高い同国の姿を、基本データをはじめ、歴史、政治、外交、社会、経済、自然環境、人々の暮らしの面から生き生きと描く。

1 数字で読む世界のなかのコスタリカ
第1章 国 土――小さな国の多様な気候風土
第2章 人びと――人口構成の若い国民と多様な少数民族
第3章 経 済――コーヒーとバナナの輸出国からハイテク産品輸出国への変貌
第4章 政 治――非武装平和主義国における民主政治の姿
第5章 社 会――福祉国家の姿と抱える問題
第6章 教 育――教育立国の姿と抱える問題
第7章 環境保護――小さな環境保護大国の姿

2 「豊かな海岸」コスタ・リーカの国土形成
第8章 コロンブスが「発見」した「豊かな海岸」――スペイン人が住みついた辺境の現実
第9章 スペイン人の定住とコスタリカ地方の開発――勤勉で素朴な農村社会を形成した事情
第10章 近代国家建設への道を拓いたコーヒー――田舎町サンホセを近代的首都へ変貌させたコーヒー・ブーム
第11章 鉄道建設とマイナー・キース――ジャングル鉄道を完成させたアメリカ人の成功物語
第12章 鉄道を完成させたバナナ――ジャングルを拓いた美味なるトロピカル・フルーツ
第13章 コスタリカとユナイテッド・フルーツ社――リスクの高いバナナ・ビジネスの盛衰
第14章 コーヒーとバナナがつくりして平和――コスタリカ外交のキーワード
第27章 ゲッツ! ザ・サポーター――コスタリカ外交の特色
第28章 世界平和とコスタリカ――実利と理想が生む好循環

5 教育立国と福祉国家をめざして
第29章 教育立国の姿――少ない資源は内容で補え
第30章 学校教育の現場――カリキュラムより価値観の実践
第31章 平和文化教育――自ら平和をつくり出す文化を育む方法
第32章 地方と貧困者にも届く健康――普及の進んだ保健・医療サービス
第33章 全国民への普及をめざす老後保障――四本柱の年金制度
第34章 法整備の進む障害者支援――待たれる公的施設・交通機関の改善
第35章 母と子を守る社会――「この子の父親はあなたよ」

6 コスタリカ経済の変貌
第36章 輸出産業の多角化と環境ビジネス――ビジネスチャンスの新たな拡大
第37章 コスタリカ経済を変えたインテルの進出とフリーゾーン――貢献する外国系ハイテク資本
第38章 新しい輸出産業探しと日本のジェトロ――日本との経済関係強化をめざして
第39章 遅れる民営化と財政改革――国際競争力強化のために
第40章 現代コスタリカのコーヒー事情――国際市場に挑戦す卓も「プーラ・ビーダ」
第52章 サッカーとコスタリカ人の情熱――さまざまな帰属意識が交錯するお祭り騒ぎ
第53章 ワールドカップで寿司ブーム――コスタリカの日本食事情
第54章 マチスモ社会の変貌と女性の社会進出――交錯する「進化」と「保守」
第55章 神話「白人国」――多民族・多文化社会の現実

はじめに

 コスタリカは、日本で比較的よく知られた国である。二〇〇二年のワールドカップで日本と対戦したことのあるこの国への日本人の関心は、サッカーだけでなくもっと幅広い。中米の熱帯に位置するコスタリカを世界的に有名にしているエコツーリズムや軍隊を廃止した小国の平和主義が、日本人の関心を引きつけているからであろう。
 日本とコスタリカの交流も盛んである。日本・コスタリカ交流協会は一九七六年に設立されている。一九八九年には日本・コスタリカ自然保護協会が設立され、同じく一九八〇年代には富山県、岡山県、茨城県がそれぞれコスタリカとの交流協会を設置している。姉妹都市関係を結んでいる都市もあり、民間ではコスタリカ愛好会のような同好会的組織が存在し、多くの個人がコスタリカ・ファンとして活動している。その理由は何であろうか。
 人口わずか四〇〇万ほどの中米の小国コスタリカは、知れば知るほど魅力的な国である。豪華さも贅沢さもない代わりに、素朴で堅実に生きる人びとの暮らしを大切にしている姿が、訪れる者の心を捉えるのだろうか。そして何よりも自然が美しい。その自然を守るために国をあげて環境保護政策を展開している姿が見事であ

目次

1 数字で読む世界のなかのコスタリカ
2 「豊かな海岸」コスタ・リーカの国土形成
3 民主国家をめざして
4 国際社会のなかで
5 教育立国と福祉国家をめざして
6 コスタリカ経済の変貌
7 自然環境を守る小国の実験
8 中庸国の姿

著者等紹介

国本伊代[クニモトイヨ]
中央大学教授。ラテンアメリカ近現代史専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

2
日本でも中米にある非武装国家として知られているコスタリカ。軍隊を廃止し、人権や教育に力を入れている国のことがよく分かる。と言っても、義務教育を中退してしまう人が多かったり、父権社会だったり、自然保護に力を入れつつも汚染がひどい地域があるなど、理想通りに行かないところも多いが、それでも理想を必死で実現しようとするコスタリカの人々の姿が良く伝わって来る。日本では何だかコスタリカをむやみに理想化する傾向があるけど、そうではなくてこの様な等身大のコスタリカを知ることがまず大事ではないだろうか。2014/03/30

goto akito

2
コスタリカは中南米の小国だけど、憲法で軍隊を放棄してたり国内に豊かな自然と多様な生物が共存していて、日本と近いものを感じました。いつか行ってみたいなと思ったけど、外務省のHPには首都のサンホセは治安が悪いとレビューされてました。悩ましいところです。2012/01/07

つばな

2
コスタリカ、興味深い国です。理念に裏打ちされた平和憲法、人権・エコへの取組。カネはなくてもその分は理念でカバーって感じ。もちろん問題は山積ですがそこから逃げない強い姿勢こそがコスタリカの魅力。だからこそ小国ながらも米国にも一目置かれるのでしょうな。年金生活になったら言葉を覚えて住みたいなどと思ってみたりして。2010/09/05

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