内容説明
封建国家の対外政策、蝦夷・対馬・長崎・琉球を媒介としたロシア・朝鮮・中国・韃靼・オランダなど異国・異域との文化・貿易・通交・相互認識などの論点を整理。新たな研究方向を指示した第一線研究者による野心作。
目次
第1部 封建国家と対外関係(足利将軍と日本国王号;武家外交の成立と五山禅僧の役割;関白外交体制の特質をめぐって;豊臣政権の第2次朝鮮侵略と大名領国の対応―島津氏の場合;日本近世の統一と韃靼;異様の船―水野政権下の軍船問題;明治維新期の日朝外交体制「一元化」問題)
第2部 対外関係の諸相(8・9世紀の日羅関係;朝鮮に大蔵経を求請した偽使について;朝鮮遣使ブームと世祖の王権;琉球国における明末清初の朝貢と薩琉関係;連合オランダ東インド会社の戦略拠点としての平戸商館;初期の未刊唐蘭風説書と関連史料―幕府の海外情報管理をめぐって;1862年幕府千蔵丸の上海派遣)
第3部 異域と辺境(蝦夷地第1次上知の政治過程;箱館奉行の基本性格について―黒印状・下知状の分析;寛政改革期の幕府・対馬藩関係;文久3年対馬藩援助要求運動について―日朝外交貿易体制の矛盾と朝鮮進出論;琉球王国における王府制度の特質―辞令書に見るヒキと庫理に関する覚書)