出版社内容情報
仏教は日本人にとって身近な宗教だが,仏教思想はわかりにくいと感じる人はかなり多い。その一因として古代インドに発して以来,東南アジア,チベット,東アジアなどの文化圏を経由し,多様な展開を遂げてきたことがある。本書は歴史的な事情を勘案しつつ,基本思想をわかりやすく伝えることを目的にしている。一例をあげると「解釈のパラダイム」では多様な仏典解釈方法を概説,「苦悩としての存在」では人生を苦と見る地点から出発し,無常・無我へと展開したブッダの説教を中心に,原始仏教に由来し大乗仏教に引き継がれた根本原理の意味を探っている。
1.いまなぜ仏教か
2.歴史的概観
3.テキストの森
4.解釈のパラダイム
5.苦悩としての存在
6.言語と存在
7.象徴としての世界
8.心の深層
9.他者と関わる
10.コミュニティの形成
11.超脱の道
12.来世と救済
13.楽観論の陥穽
14.差別と平等
15.思想史の中の仏教



