甘さと権力―砂糖が語る近代史

甘さと権力―砂糖が語る近代史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 434p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784582408027
  • NDC分類 588.1
  • Cコード C0060

目次

第1章 食物・社会性・砂糖(主食=中心と薬味=周辺;ヒトは甘党か?)
第2章 生産(砂糖はコーランに従う;新世界の先駆者スペイン;イギリスの「砂糖諸島」;早咲きの工業化―プランテーション;プランテーション・世界システム・資本主義;砂糖と自由貿易)
第3章 消費(砂糖の用途;特権階級の香料;ステイタスの象徴;茶と砂糖;イギリス人の虫歯とアルコール)
第4章 権力(消費の拡大と権力;砂糖をめぐる諸勢力;生活の変化、あるいは工業化)
第5章 食べることと生きること

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

10
「砂糖」というあまりにも身近で当たり前、現代の生活に無くてはならない存在。それが、どうやってこの世界に生まれ、19世紀からの近代的で工業化された人間社会の営みがこの嗜好物の広がりにどのように影響したのかという歴史的な流れを解説した一冊。イギリス史が中心です。プランテーションでの生産の歴史の部分など、私には難解なところもありましたが、砂糖という存在がどのように人々に受け入れられ、食されてきたかという部分は具体例も豊富で分かりやすかったです。2014/09/11

ワッキー提督

6
文庫版を読了。イギリス史を中心に、近世から近代にかけて砂糖の生産の増大と、人間の生活にいかに砂糖が溶け込んでいったかを分析する一冊。序盤のサトウキビの長い歴史の概説や、プランテーション生産の歴史などは理解できたが、中盤から後半にかけては人類学と思われるアプローチで記述されているため、読解しきるには自分は力不足であった。 『大英帝国は大食らい』を先に読んだことがあったため、そこからさらに紅茶と砂糖とイギリス庶民の食生活の関係の理解を深めることには繋がった。2021/07/10

ウラー

3
砂糖というあまりにも普及しすぎている食品について、それか上流階級の嗜好品から労働者階級の必需品になっていく様を描く。砂糖プランテーションが工業的側面を持っていたという発想は面白い。また紅茶とコーヒー、チョコレートの中で、紅茶が選ばれた理由が、もっとも安上がりに砂糖を摂取できるからというのも面白かった。ただ説明がイギリスに偏っているのと、せっかく砂糖の消費増加を工業化によるライフスタイルの変化や自由貿易による価格低下から客観的に説明したのに、イギリス人は昔から甘味を好んでいたという紹介に紙幅を割きすぎて、し2015/06/24

あんどうれおん

2
英国史を中心として、砂糖にまつわる物語をパワフルにつづった甘くない一冊。2021年5月に文庫化されたと聞きましたが、近場では見つからなかったのでこちらの版を図書館で借りました。あまり意識したことがない角度から歴史を見る発想を教えていただいたような気がします。2021/06/26

belier

2
プランテーションでの砂糖製造の話より、ヨーロッパ(主にイギリス)でどう砂糖が消費されてきたかの話が面白かった。砂糖が貴重な頃は現代ではちょっと考えられない使われ方をしていたなどは楽しい話であった。19世紀後半、価格が下がり労働者に砂糖が行き渡るようになると、手っ取り早くカロリーを取れる食材になり下がる。植民地で奴隷やそれに近い労働者を搾取して作られた砂糖が、工業国では低賃金労働者家族のエネルギー(食物)となった。現代でも貧困者のほうが砂糖の取りすぎで成人病になりやすい。そんな状況がどう作られたかが見えた。2015/11/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/157218
  • ご注意事項

最近チェックした商品