内容説明
人類にとって宗教的現象とはいったい何か、人類史という壮大なスケールのなかでその展望を企てた本書は、20世紀を代表する宗教学者・エリアーデが最晩年に遺した畢生のライフワークである。この古今未曾有の偉大な業績は、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教といった個々の宗教の理解を助けるばかりでなく、人類が創造した宗教そのものの姿を見事に描きだしている。文庫版第3巻は、古代中国の宗教、バラモン教とヒンドゥー教、仏陀とその時代、仏陀のメッセージ、ローマの宗教、ケルト・ゲルマン・トラキア・ゲタエ人の宗教、オルフェウス、ピタゴラスまでを収める。
目次
第16章 古代中国の宗教
第17章 バラモン教とヒンドゥー教―最初期の哲学と救済の技法
第18章 仏陀とその時代
第19章 仏陀のメッセージ―永遠回帰への恐怖から言葉を超えた至福へ
第20章 ローマの宗教―その起源からバッコス祭の迫害(前一八六年)まで
第21章 ケルト人、ゲルマン人、トラキア人、ゲタエ人
第22章 オルフェウス、ピタゴラス、新たなる終末論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベイス
50
この巻だけで3年もかかりました。少しずつ、じっくりと…2023/02/01
優希
49
インドの宗教にまつわる箇所が1番分かりやすかったです。ヒンドゥー教に仏陀の時代は唯一知っているインドの歴史だったからかもしれません。2022/12/09
Copper Kettle
7
第3巻では「古代中国の宗教」から始まる。孔子と道家、道教にページが割かれているんだけど、なんと言っても驚きは道教の一種なのかな、三国志の序盤で暴れる黄巾賊の乱、その「黄巾」の最後の指導者が処刑されたのは1112年だったということ。そんなに長く続いてたんだ。あとはローマ、ケルト人やゲルマン人、と来て最後はアレキサンダー大王によってもたらされたヘレニズム。新石器時代、都市社会に続いて宗教史における重要な時期のようだね、ということで次巻に続く。2022/12/29
roughfractus02
6
アジアにおいて、外に立つ体験(ekstasis)は、古代中国では道教的な陰陽の二元論的宇宙を作り、瞑想へと形を変えて密儀思想を形成する。一方インドではヴェーダ解釈をめぐる六師外道の喧々諤々の議論を批判しつつ、宇宙論的教義を排したゴータマ・ブッダが般若と慈悲の瞑想による実践を始める。他方、地中海から北欧までのインド・ヨーロッパ語族の神話体系が政治的征服/非征服の力学関係を刻み込みながら広範に分岐する中、ギリシャに興った哲学のイデアやクリナーメンの諸概念や洞窟等の比喩の中にも、脱魂的な神秘体験の痕跡が仄めく。2021/07/02
(ま)
2
儒教・道教~ヒンズー・仏教~ローマ・ケルト、そしてオルフェウス~プラトン、アレクサンダーへ 捏ねくり回して相似と習合と・・・2021/06/03