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内容説明
借り物の車庫を改造しただけの小さなさかな屋。「誠意をつくして商いをして、それでだめならしかたないじゃないか」養殖魚はいっさい並べず、押しつけ商売もしない。大分県中津市、得さんのさかな屋をめぐる人々の暮らしのなつかしさを、ひとつひとつ掬いあげる。
目次
看板
モジズリ
師匠
耕ちゃんの反抗
詩の朗読
信頼
アラカブ合唱団
諭吉の茶屋
歳末の魚市場
間島の秘密
光代の生き方
宝の箱
車椅子のチーちゃん
「春の本部」
贈る詩
ホタル届く
エノコログサ
いいもの
軒先のカスケどん
オー ロマンチック!
旧婚旅行
人の秘密
いさかい
お地蔵さま
タイムカプセル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
27
福沢諭吉の街、大分県中津市。養殖魚は売らない魚屋をめぐる人々の暮らし。火力発電所建設・海面埋立てなどへの対抗運動と並走する普通の生活と海の幸。87年連載。◉『豆腐屋の四季』作者による私小説的身辺記。身のまわりのことを記録しようとするときに、日記か、小説風が良いのか、読みながら考えてみたり。◉「もっとみんなイワシを食べるといいんですけどね。ほとんど養殖のブリやハマチの餌にされるんですからね。ブリの体重を1キロふやすのに、イワシ7キロも食べさせるそうですよ」タイトルの「小さな」に込められた意味を考えてみたり。2021/03/17