出版社内容情報
昨年6月に急逝した消しゴム版画家の単行本初収録コラム集。雑誌『SFアドベンチャー』『ホットドッグプレス』に連載された幻の映画評、メディア批評コラムが1冊に。
内容説明
人類史上至高の「消しゴム版画家」にして紛う方なき天才コラムニストによる、お宝映画批評&メディア批評コラム集。
目次
でたとこ映画(ファンシイダンス;ミステリー・トレイン;ミクロキッズ;どついたるねん;ジャッカー ほか)
メディアジャンキー(『TVブックメーカー』;秋葉原幻想;百恵神話;衛星放送;通信販売 ほか)
著者等紹介
ナンシー関[ナンシーセキ]
消しゴム版画家、コラムニスト。本名:関直美。1962年7月7日青森市生まれ。2002年6月12日逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
40
時間が経ってから読んでもおもしろいというかトンチンカンなこと書いてない凄さといいますか。大体あとから読むとウケ狙いのピント外れがバレるもんですが。映画評ですが、反復する空手部ネタが良かったと。みる目の確かさというか分析能力すごいなと。映画評のコーナーなのに岡村ちゃんは面白かった。まだ結婚してないし。でもダンスはキレキレです、いまだに。2019/10/08
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
14
ナンシー本は大半読んだと思っていたがこれは未読だった。理由の一つに私が映画を殆ど見ない人間だから。という訳でこの本の半分は『SFアドベンチャー』で連載された『出たとこ映画』。著者も映画を余り見ない人なので共感する事多し。下世話な好奇心が映画芸術に触れた時に生まれる違和感を率直に述べていると思う。ナンシー関の文章は読む者が違和感を感じる程突っ走った瞬間にきちんと修正のツッコミを入れるのが気持ちいい。2013/05/21
zakuro
5
『何〜』シリーズは10冊ぐらいあるみたい。読み出したら時間はかかっても読破が信条なのでのんびり辿ろうと思う。今作は映画評。と言っても初回冒頭「私は映画をあまり見ない」から始まるという離れわざを繰り出すだけあって、映画とは関係ない話も盛りだくさんだ。留守電・ポケベルを「自分を拘束する装置」「不在という不可抗力の放棄」と言ってるナンシーさんはスマホをどう扱っただろうか。これだけテレビを視聴し文章を書いて食べてるのにNHK受信料未払いを公言していて、小心者の私は「怖いな」と思った。ダウンタウンを見る目の確かさよ2018/04/26
呉もよこ
4
この時代、自分はまったく映画を見ていない時期だったので、この本はノーマークで、今更初読み。 ナンシーさんも「映画をほとんど見ない」と書かれていたが、映画についてウンチクたれてる映画マニアより、とってもわかるよ! 映画をたいして見ない私が映画を見た時の、モヤモヤしたものはコレだよ!清々しいよ! そして、映画エッセイの連載のはずなのに、岡村靖幸をブっこんでくるあたり、靖幸愛を感じるよ。 コラムにも「靖幸は常に結婚したがってる」とあったが、ナンシーが他界して、もう何年もたつが、靖幸は未だに結婚したがってる。 ナ2013/06/27
京
3
迸る岡村靖幸への愛がひたすら濃すぎる。この愛の濃さは恐らく最低でも「日本の女の半分はヤスユキで股を濡らした」と言われて一瞬真顔で「そうかもな」と頷きかけて慌てて我に返る位のレベルに達しないと理解できまい。やっぱりナンシーは偉大だ。しかしこの本を堂々と「映画批評」のコーナーで淀川長治の隣に並べて置いた文京区立図書館はもっと偉大だ。2010/10/20