出版社内容情報
いかに辱められようとも、司馬懿は動こうとしない。
天文を仰いで自らの命脈が尽きたことをさとった孔明は、姜維から勧められて北斗七星に祈る。あと1日主燈が輝き続ければ12年寿命が延びるという時、駆け込んできた魏延が主燈を倒してしまう。孔明は書き記したものを全て姜維に与え、馬岱には魏延が謀反した時の策を教えると、四輪車に乗って陣中を巡見した。
劉禅あての遺書を楊儀に託した孔明は、司馬懿が押し寄せてきた時の秘策を授ける。
目次:
星に祈る/秋風五丈原/角の夢/死せる孔明 生ける仲達を走らす/桟道を焼く/魏延謀反/魏延の最期/孔明の遺言/楊儀の死/権力争い/政変/出兵/水涸れ/牛頭山の戦い/姜維一人/不落剣閣/道を作る/劉?憤死/蜀滅亡
〔付録〕
年表
三国志関連地図
魏軍蜀平定コース
三国志ビジュアル1 五丈原をゆく
三国志ビジュアル2 関帝廟を行く(韓国ソウル編) 写真と文/木村岳史
あとがき 「一新」した三国志 横山光輝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
37
これで最終巻。諸葛孔明という一人の軍師が亡くなったことで、一国の弱体化が始まる。姜維は孔明を継ぐものとして相応しいと思えたが、一人の力に偏りがあったのか、孔明死後に強化できず、蜀は滅亡の一途をたどる。戦は無い方がよいとはいえ、劉禅のような怠け癖の強い者が簡単に国を手放すことには強い憤りも感じ、姜維の努力も虚しく、無念な気持ちが犇々と伝わった。30巻を読みきった達成感よりも、劉備や孔明の願いが叶わなかった結果が悔しくてたまらない。2020/05/10
黒猫
15
足掛け2年にかけて読んできた三国志。ついに読了した。諸葛孔明の神算鬼謀を持ってしても、忍耐強い司馬懿を動かすことは出来なかった。孔明も気づいていたはずだ。既に五虎大将軍は亡く漢の国の復興は不可能だと。しかし、三国志の魅力はそこにある。三顧の礼で自分を迎え入れてくれた劉備との刎頚の交わりは、先帝が死してなお続くものであった。どんなに出来ない事も、何とか壁をぶち破ろうと、苦慮し続ける孔明は命を削りながら職務に当たった。到底出来ない事に向かう闘争心を描き続けた横山光輝さんにも感謝です。やはり名作。2021/07/18
とんかつラバー
14
ついに最終巻。綺羅星のごとく現れた武将たちであるが、人の力だけではどうにもならない事もある。スケールがでかいが儚い。度々「天命」って言葉が出てくるけどそういう事なのか。漢の復興を掲げた蜀の皇帝が霊帝と同じようになってる(ただしこちらは長生きするが)これで三国志に興味を持ったら歴史や武将の考察を調べるのオススメです。そしてもう一度読んだら魅力倍増2021/07/17
蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
14
冒頭病に倒れる孔明。姜維の勧めで延命の祈祷をするが、命の蝋燭を倒す魏延(笑)。今までの魏延のキャラクターはこれの伏線か。孔明は死んで生ける仲達を走らせる。早速魏延の謀反。魏延を討ち取る馬ダイがまたまた渋い。孔明亡き燭は揉めまくり。おまけに魏も揉めまくり。老いた仲達のクーデターがカッコイイ。晋王朝建国秘話である。姜維が久々に魏を攻めるが、劉禅が降伏で水の泡。全巻読んだ結末が劉禅の気楽さ………贅沢だな(笑)。2012/01/31
0607xxx
13
漢朝の再興をはかり、戦い続けた英雄の数々。その最期の巨星・諸葛亮孔明、遂に死す…。女と酒に溺れ、何の野心を持たず魏に降伏した劉禅によって蜀の歴史も終わり、あっけない結末を迎えるが、これも歴史の一つ。また機会があったら読み返すであろう名作でした。次は北方謙三版の「三国志」を読みたい!2019/08/17
-
- 和書
- 歯周病治療のストラテジー