ハヤカワ文庫<br> カタロニア讃歌

ハヤカワ文庫
カタロニア讃歌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 362p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150500979
  • NDC分類 936

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちぃ

16
古今東西、どんな大義があろうとなかろうと、戦争なんて碌なもんじゃない、と独特のタッチで訴えかけてくる一冊。あらゆる戦争宣伝も絶叫も憎悪も、直接戦っていない連中から生まれるのだ。プロパガンダに先導された素人兵隊が前線に送り込まれて意気込んだりパニックする様は男子高校生の喧嘩と変わらない。鉄砲に撃ち抜かれ生死の境をさまよったオーウェルの記述には目を見張るものがあった。平和を享受している時、私たちは深い深い眠りの中におり、爆弾の炸裂にでも叩き起こされない限り、目が覚めないものなのかもしれない。2016/08/31

ジュン

7
ケン・ローチ『大地と自由』の下書きとなった。見、行動したことを言葉にすることについて純粋に参考になると同時に、スペインを引き裂いた戦いを追体験できる。 内戦の真の悲惨さは身内同士で殺し合うことにある。 フランコ将軍の保守派に対し、左派のばらばらさがうかがえる。しかしそれは裏を返せば、保守派は初めから意見の対立を許さなかった(全体主義だった)のに対し、人民戦線側は多様な見解と立場があったことを示している。民主主義のほう芽があったが、情勢がその存続を許さなかった。ソ連共産党という全体主義の介入と、その顛末。2016/01/26

(ま)

2
スペイン内戦に反ファシスト義勇兵として参加した戦場の現実と理想の大きなギャップと醜い政治闘争と、スペイン人に対する強い思い入れと2023/10/08

えふのらん

2
党によって捏造されていく歴史、その「事実」に従って投獄されていくかつて戦友、文脈依存で多義的に、より暴力的なニュアンスを獲得していく言葉「トロツキスト」+ファシスト、前半ののんびりとした、だが戦争らしかった戦争がスターリン主義の台頭によって内ゲバに変質していく...と相変わらずオーウェルという感じの内容。彼の思想が芽生える過程がわかるので自伝としても面白いのだが、複雑な人民戦線の内情から生成発展していくから読み難い。(ただでさえオーウェルの思考は回りくどいというのに)。2022/03/10

りんたろ

2
「動物農場」「一九八四年」読んだらコレ必読。過剰な悲惨さも英雄譚も無く、淡々と、ユーモアさえ交え戦争の一面を描き出す。なのに熱い、熱い本。2012/10/23

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