中公文庫<br> 第二次大戦航空史話〈上〉

中公文庫
第二次大戦航空史話〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122026940
  • NDC分類 391.28
  • Cコード C1195

内容説明

対V号兵器特攻に散ったJ・F・ケネディの兄、ハワイに不時着した真珠湾攻撃隊員と日系人の数奇な運命、北海の霧に消えたグレン・ミラー、日本を空襲した中国空軍機、戦う操縦士サン=テグジュペリの最期、日独連絡飛行で消息を絶った「神風号」の英雄、悲運の海底空母が迎えた終戦の日など、第二次大戦史を彩る航空機と操縦士の物語。

目次

ジョー・ケネディの死―アフロディテ作戦の悲劇
ニイハウ島のゼロ戦―義人ハラダと西開地兵曹
パトル少佐、ギリシャに死す―知られざる撃墜王
ロバート・ハンソンの生と死―ラバウル上空のエースたち
サハラに消えたB‐24―「善良な淑女」号の悲劇
ウイラウエイ奮戦す―日豪空軍空戦記
ドレスデン壊滅の日―都市爆撃の論理
三十四年目の感状授与式―決死のウエワク緊急輸送
グレン・ミラー物語―北海の霧に消ゆ
海底空母パナマへ―悲運の潜爆「晴嵐」
大空に消えたサン=テグジュペリ―遍歴の騎士
中国空軍の日本初空襲―奇襲された台湾と九州
鉄十字章の女性飛行家―大空に生きたハンナ・ライチュ花の生涯
インド洋に消えたA‐26―堀越賢爾の生と死

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

59
箸休め的読書。著者のアジア太平洋戦争に関する(特に唯物史観一辺倒的著作に対する)批判的論考は、その実証的姿勢からかなり評価できるのだが、本書は「航空情報」という雑誌連載をまとめたもので(したがって全エピソードを著者が書いたのではない可能性があるが、ちょっと不明)、読みやすい掌編となっている。ただし本書でもやはり史料吟味に対する著者の姿勢は貫徹されており、分からないことは分からないとはっきり書いて、憶測で断じることはない。ケネディの長兄の死、砂漠に墜落した爆撃機乗員の運命など、興味深く読むことができた。2023/06/01

モリータ

12
◆75〜85年『航空情報』(酣燈社)連載を基とした上中下巻の一。単行本86年光風社出版刊、文庫96年刊。姉妹編に『太平洋戦争航空史話』上下巻あり。タイトル通り、大戦中の各地の航空こぼれ話。といっても能天気なドンパチや美談ではなく、有名・無名パイロット(前者ならケネディ兄やサン=テグジュペリ)の死や、筆者の調査に基づくその真相の推定、ドレスデン空爆や中国空軍による日本初空襲、A-26の失踪などの歴史的事件も紹介している。◆箸休め。中公文庫3巻にするほどか…?とも思うが、何かの機会に思い出すこともあろう。2021/08/24

竜王五代の人

3
太平洋戦線あり欧州戦線あり、飛行機にまつわる(グレン・ミラーなんか最期が飛行機事故だったというだけ)戦史のエピソードの史実を事実に即して淡々と語っているだけだが、それがよい。五人の搭乗員と重爆一機を捨ててまで補給に充てるエピソードは、物理的価値もあれど心理的価値をより重視したものか?2022/10/10

Cornelius

3
短篇が14話ほど集まった本だったので、とても読みやすかった。特に第6章「ウイラウエイ奮戦す」に出てくるオーストラリア空軍のウイラウエイ(軽多用途機)は、この本で初めて知った飛行機。 2012/09/11

連雀

2
秦郁彦の本は好きなのでよく読むのですが、この本はちょっと感じが違っていて、大戦中の航空に関する史実から題材を拾った短編集になってました。それも秘話とも言えるエピソードから戦争と言う極限で困難に立ち向かう人間の物語になっていて、意外に思ったものの面白く読めました。2017/07/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/396067
  • ご注意事項