中公新書<br> 軍事革命(RMA)―“情報”が戦争を変える

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中公新書
軍事革命(RMA)―“情報”が戦争を変える

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  • サイズ 新書判/ページ数 175p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121016010
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C1231

内容説明

ナポレオンによって大兵力の殲滅戦が開始されてから、戦争は火力による殺傷と破壊を意味するようになった。これ以降、工業化時代の戦争は、双方が国力全体を消耗しあう形態となったのである。情報技術や精密誘導技術が驚異的に発達したため軍の運用や編成・組織が劇的に変化しつつある今、もはやクラウゼヴィッツの唱えた消耗戦は主流ではなくなりつつある。これからの戦争はどうなるのかを、シミュレートする。

目次

序章 情報化社会の特質とその軍事的意義
第1章 軍事革命(RMA)とは何か
第2章 「消耗戦」から「麻痺戦」へ
第3章 情報戦と指揮・統制機能の無能化
第4章 「集中打撃」から「同時打撃」へ
第5章 攻撃と防御、どちらが有利か
第6章 情報型「軍事革命」と日本の防衛戦略
第7章 米国のRMA軍に挑戦する軍隊

著者等紹介

中村好寿[ナカムラヨシヒサ]
1943年(昭和18年)、広島県三次市に生まれる。防衛大学校卒業。防衛大学校助教授、米国国防大学客員研究員、陸上自衛隊東北方面総監部幕僚、ジョージア工科大学客員教授、防衛研究所主任研究員を経て、退官。現在、軍事アナリスト
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ロッキーのパパ

13
コンピューターやネットワークを中心とする情報化の進展が軍隊に与える影響を論じている。一言で言えば、工業化社会の「消耗戦」から「麻痺戦」への革命的に変化していると言うこと。納得できる。論文のようなかっちりとした構成で、一見固い印象を受けるが、読みやすく理解しやすく書かれていた。惜しむらくは911以前に書かれたと言うことか。2010/09/21

無重力蜜柑

10
ポスト冷戦時代の戦争のパラダイムシフト=軍事革命の理論的な概説書。工業化時代の軍隊は敵の物理的破壊を狙う(消耗戦)のに対し、情報化時代の軍隊は敵の機能的破壊を狙う(麻痺戦)。それを実現するのはサイバー攻撃、精密誘導兵器、GPSなどで情報を統合運用するネットワーク化された軍隊である。どこかドゥーエなどの航空機黎明時代の空軍思想家を彷彿とさせる「敵軍不在」の理論。なお9.11直前に出た本書はRMA軍の敵を「技術の劣った正規軍」と想定しており、対テロ戦争というパラダイムシフトを予見できなかったのが最大の皮肉か。2022/04/07

シノウ

5
慧眼の著者。 ネット社会の到来で、情報の公開サイクルが早いことと、いろいろな兵器や司令部とのリンクがリアルタイムに進むこと。双方からして、工業化軍隊では消耗戦が中心であったものが、情報化軍隊となりセンサや、データのリンク、判断機関、主力部隊を同時多発的に叩くなどをして相手の力を麻痺させるような戦術が多くなることが論じられている。 日本も兵器偏重ではなくシステムのなかの防衛についてしっかりと考えるべきである。2019/10/28

bibliophage

5
革新的な兵器の登場・軍隊の運用法や編成における革新・社会の変化などによって戦争や防衛も変化する。本書では、そういった変化を軍事的な面での変化を中心に説明する。消耗戦から麻痺戦へ、防御優位から攻撃優位へなど。ただ、書かれたのが10年以上前なので、他の文献にあたってアップデートしたい。2017/08/12

とん

4
中村好寿『軍事革命(RMA)』. 面白かった. 情報化がもたらす軍事革命についての考察. サイバー攻撃や世論に左右される人命尊重は現代も同じです. なにより「攻め方」に納させられます. やっぱりミサイル防衛の肝となる情報収集源やレーダーを潰す. サイバー攻撃と破壊工作員が重要です. 本書は16年前の内容なのでミサイル防衛や核問題にはあまり触れてないですが, 考え方の基礎として読んでおくには非常にわかりやすい一冊です.2017/09/15

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