講談社選書メチエ<br> 真珠湾“奇襲”論争―陰謀論・通告遅延・開戦外交

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講談社選書メチエ
真珠湾“奇襲”論争―陰謀論・通告遅延・開戦外交

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062583060
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0321

内容説明

「真珠湾」は隠密奇襲作戦の成功なのか、ルーズベルトの陰謀なのか?日本の開戦通告の歴史的遅延の犯人は誰なのか?ハル・ノートは最後通牒だったのか?同時代人の証言からアメリカ側史料までを精査、過剰な政治的意味を負わされた「論争」ここに決着。

目次

第1章 真珠湾攻撃
第2章 ルーズベルト陰謀論―対日政策と修正主義
第3章 ウインド・メッセージ論争
第4章 ハワイへの戦争警告と太平洋艦隊オトリ説
第5章 無線封止は守られていた
第6章 二人のスパイ―ポポフとゾルゲ
第7章 ハル・ノートは最後通告か
第8章 通告遅延の原因はコミュニケーション・ギャップ
第9章 真珠湾攻撃は奇襲であったのか
第10章 ルーズベルト親電問題
補章 日米通商航海条約(一九一一年)廃棄の背景

著者等紹介

須藤真志[スドウシンジ]
1939年群馬県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。同大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。法学博士。京都産業大学講師、助教授を経て、同教授。その間、シンガポール南洋大学訪問教授、スタンフォード大学、ジョージ・ワシントン大学の客員教授を歴任
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

加藤久和

7
歴史修正主義者の間には「ルーズベルト大統領は日本海軍の真珠湾攻撃の計画をあらかじめ知っていたが、これをヨーロッパ戦争に参加するための口実として利用すべく黙殺し防御の指示を行わなかった」という説があるそうだ。この本はこのようなルーズベルトは知っていた論が成り立たないことを説得力を持って詳細に論じた本格的な歴史書である。官僚制が頑迷に確立してしまった国家は何をするにも鈍重で正確性や効率性に著しく欠けるのである。アメリカへの宣戦布告が遅れた問題も原因はここにあるのではないか。天皇の存在が弱みであったとも言える。2015/11/15

筑紫の國造

6
いわゆる「ルーズベルトは真珠湾攻撃を知りながら見逃した」とする「ルーズベルト陰謀論」の検証を主軸にした著作。著者が「あとがき」で述べているように、史料の引用は少なく文書は極めて平易。専門家の著作であるが、慣れない人でも読みやい。それでありながら、「ルーズベルト陰謀論」がどうしても成り立たないことを冷静に分析し、説得力のあるものに仕上げている。が、いくつか納得出来ない点もある。ハルがスチムソンにかけた電話は著者の解釈ではやはり無理があり、これは素直に、ハルの戦争決意と理解した方がよいのではないだろうか。2016/11/14

竜王五代の人

2
「検証・真珠湾の謎と真実」の著者の一人なので、方向性は同書と同じ陰謀論否定である。安易な陰謀論利用による日本無罪説への結びつけを非難するところには同意。面白かったのは、対米最後通告が遅れた件で、ワシントンの大使館が戦争になるなんて思ってないとボケていた(日本本国の空気が伝わってない)ことを背景にあげていること。しかし62頁で野村大使が8月には戦争への危険性を訴えていたとしている。大使の気持ちが外務省プロパーの部下たちに伝わっていなかったということだろうか?2021/11/07

Naoya Sugitani

2
古い本であるが、今後もほぼこの説が揺らぐことはないだろう。結論的に言えば、日米開戦をめぐるルーズベルト陰謀論やコミンテルン陰謀論は全く成り立たないというもの。とはいえ、今なお「亡霊」の如く徘徊を続けるこうした陰謀論に対しては、逐一実証的歴史学の立場から反論を加えるほかない。その意味でも重要かつ、貴重な著作である。2018/03/31

くまさん

1
ルーズベルトが知っていたかどうかという問題は、アメリカ国民にとっては重大なことなので新たな資料が明るみ出るたびに様々に議論がなされてきた。日本人にとってはどうでも良いことだが、事実だけ書きとめておく。 1940年9月25日に貧弱な紫暗号機が最初の解読文を吐き出した。紫暗号文が出始めるやいなや、陸軍参謀総長ジョージ・C・マーシャル大将、海軍通信部長りー・ノイズ少将、海軍情報部長ウォルター・S・アンダーソン少将の三人で協議して、日本の暗号解読作戦を全面的に隠すために「マジック(魔法)」という暗号名を使うことに2012/05/01

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