講談社学術文庫
戦国時代の貴族―『言継卿記』が描く京都

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  • サイズ 文庫判/ページ数 412p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061595354
  • NDC分類 210.47
  • Cコード C0121

内容説明

応仁の乱の終息から五十年。二十歳の青年貴族・山科言継がしるした日記は、以後、半世紀にわたり書き綴られた。見聞を克明に描いた時代の記録として、高い史料的価値をもつ日記が語る、皇室御領や有職故実、医薬・音楽・文学・芸能、京畿の政治動向と社会的事件の数々。激動の時代、京に生きた公家と町衆、そして武将の姿を、一公卿の日記が活写する。

目次

第1章 山科家の家産
第2章 その時代
第3章 衰微する宮廷
第4章 町の自治と文化
第5章 群雄上洛
終章 山科家その後

著者等紹介

今谷明[イマタニアキラ]
1942年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位修得。文学博士。横浜市立大学教授。専攻は日本中世史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

38
16世紀の京都に生きた中級貴族、山科言継。応仁の乱以降、権力と統治は強者の奪い合いとなり、その余波で没落を免れるのさえ過酷な時代の約五十年を日記に残した。彼が生きた時代の勢力の変遷、政治、社会、文化、そして山科家のテーマで章に分け考察する。貴族のイメージを覆す騎馬による変事への対応、紛争の仲裁や朝廷の資金集めに各地を往来、人脈作りとネゴシエートに長けていた事など。加えて、本来の有職故実や和歌や音曲、舞踏や蹴鞠など、武士や町民に気軽に指南した。のちにその功績により、家柄ではとても望めない大納言の位を賜った。2025/03/15

Toska

8
山科言継は細川政元暗殺の年に生まれ、徳川秀忠誕生の年に亡くなるという、まさしく戦国時代を生き抜いた世代の人物だった。筆まめだったこともあり、その記録は無類に面白い。風流踊りを見に行くのと同じ感覚で戦の見物に出かけているのは戦国の公家ならでは(血の穢れとかは気にならなかったのか?)。また、言継の一代記に限らず、山科の家門の成り立ちや所領の形成、戦国期における没落と身の処し方などが詳しく書かれていて、当時の公家の立ち位置を理解する上でも有用。2023/02/26

オルレアンの聖たぬき

2
実は室町時代から安土桃山時代にかけて一番凄かったのはこの本の主人公、山科言継なんじゃないかと思うくらいフットワークが軽く、しかも庶民的。面白かった。2021/01/13

mallio

2
『言継卿記』が描く京都、という副題ながら、他の公家日記からの記載も多く、公家から見た京都情勢、というとても面白い本でした。永正の錯乱から信長の時代まで、大混乱の中を生きて見て記録した、って歴史ファンからすると、とても羨ましい立場かも・・・本の内容としては、京都情勢が半分くらい、途中で何故か突然、京都周辺の城跡紀行がはじまり、山科言継の人生が3分の1くらい。山科言継だけに興味がある人はちょっとあれ?と思うかもですが、個人的には城跡紀行も大好物なので、嬉しい誤算?でした。2020/08/29

よしあ

1
読み物的には硬い内容。興味を持った人は元文献をあたる〜、な層が読む教科書的な。 渦中の当事者は、日々を繰り返していくが、(後世から見ると)激動の時代を乗り切った、いち貴族の記録。 一般人は、影響力を持つ人物を中心に歴史を見るのだが、信長が絡むと途端に、血が通った内容になるのは不思議。 2023/03/14

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