内容説明
『教行信証』は、浄土真宗の教義の根本理念を述べた書である。親鸞はいう、浄土の真実の心(浄土真宗)を考えるとき、如来の恵みによって与えられた浄土に生まれるすがたには、真実の教と行と信と証とがあると。本書は、親鸞研究に深い理解と見識をもつ著者が、難解な書とされる『教行信証』6巻の中から親鸞の言葉や教えを抽出し、その真意を平易に解説した。親鸞の思想と信仰の核心に迫る好著。
目次
親鸞の生涯と思想について
『教行信証』の撰述とその構造について
教行信証・序
数の巻
行の巻
信の巻
証の巻
真仏土巻
化身土巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
34
浄土教研究者(宗教学者)による『教行信証』の読み解きを通しての親鸞の思想・信仰の解説書。全文の現代語訳を期待していたが、そうではなく訳者が専門家の視点で選ばれたものに限られる。タイトルに入門とあるが、決して易しいわけではない、読み応え十分で、また非常に興味深かった。遅々として進まない『教行信証』( 岩波文庫)を読み進めるための若干の手助けにはなったようだ。浄土教の祖師七人;龍樹、世親、曇鸞、道綽、善導、源信、法然。訳者は云う、親鸞を知るには『歎異抄』ではなく『教行信証』を読めと。2014/08/11
nbhd
21
チョムズ。親鸞さんオリジナル作の教行信証はチョムズ(超難)だ。親鸞さん自身の言葉と経典からの膨大な引用で出来ている教行信証のうち、前者を現代語訳し解説した本。歎異抄と較べると硬質なイディオムが連続し、正直、親鸞さんって文章下手だよね?とも思わせる(だいぶ気張ったっぽい)。で、結局ぱらぱら読んで、一点「もうあう(会うの意・謙譲語/値ふ、遇ふ)」というキニナル言葉を見つけた。古語の「あふ」には『こちらが相手に会うのではなく、相手がこちらにやってきて出くわすの意味』があるそうで、ワードチョイスが親鸞さんっぽい。2016/07/02
ホシ
14
入門本とはいえ難解。でも、読めて良かった。親鸞が経文を読み替えた事は広く知らているが、その実相を垣間見られる良書。”帰命無量寿如来”は”阿弥陀仏にお任せします”の意だと思ってたし、それが標準だろうが、親鸞は”帰命”を”勅命”と読んで「阿弥陀仏の”オレに救わせろ”という命令」と受け取った。ここに絶対他力を旨とする真宗の真髄を見た気がする。そして、『教行信証』は浄土教の正当性を主張する書物以前に、親鸞の信仰告白の書物であるという思いを強くした。親鸞の宗教的境地が語られる最後の「三願転入の文」に感銘を受ける。2017/08/12
加納恭史
12
まず親鸞聖人の「正信偈」の解説は読んだ。「正信偈」は親鸞著の「教行信証」の要約であるが、なかなか難しい。もう一歩進むために、「教行信証入門」を読む。この本は、無量寿経を中心に法蔵菩薩が四十八の願をかけ、実践して行くき、遂には阿弥陀仏となる菩薩行の話である。この菩薩の修行について、仏の慈悲を求め、その慈悲の心の修行の方法を述べて展開してゆく。阿弥陀の名前を称えれば、信心が深まれば、極楽浄土への受け入れが決まり、その国で阿弥陀仏の説法を聞けば悟りを得ると言う。その悟りとは六道輪廻を越えることができると言う。2023/12/12
moonanddai
10
(他の方もお書きになっているように)「入門」に騙されました。やはり難しく、どれだけ理解できたか、全く自信がありません。ただ、念仏は行であるとともに信も伴うものでなければならいとされます。そして信はあくまでも阿弥陀如来の廻向のたまものだと…。とはいえやはり「真実の浄信、実に得難し」、くらいは感じることができたとは思います。まあ、親鸞の「文章」というか「言葉」に(一端なりとも)触れたということで良しとしましょう…。「信心」と「他力」にこだわったところが法然との違いということでしょうか。2022/04/19
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