内容説明
妖魔を操り悪鬼と化した道鏡の襲撃―それは、美しい秋の金剛山に大きな傷跡を残す結果となった。三百人に及び鬼たちが命を失ったのである。小角不在のなか、智童子といて金剛山を率いる宇宙皇子は、この深い悲しみを乗り越えて新たなる試練に臨んだ。魔力をも凌ぐ神力を得るために。そして道鏡を屠り帝を、政を、正しい道に導くために…。そのころ朝廷では、京の未来を左右する重大な決定がなされていた。神力を失った帝が、帝にも匹敵する“法王”という地位を、道鏡に与えたのである。妖魔が政を支配し、京の都に暗雲立ちこめた時、皇子の荒魂が怒りに燃えた―。壮大なスケールで突き進む書下し異次元童話、ファン待望のシリーズ第6弾。